現れた予兆
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左腕を下へ向ける。
「いけぇぇぇっ!!」
〔オオオオオオオオオ!?〕
暴風により地面へ無理やり押さえつけられるエレメリアンは、サーストの時と違いダメージを深く負っていた。
だが、すぐに倒れてくれる筈も無く腕を叩きつけて距離を取る。
〔ジョオオオッ!!〕
「うお―――ぐっ!」
と同時にコンクリート塊が投げつけられてきた。
大きさでいえば十tトラックに勝るとも劣らない。よく見るとその塊は建物を形成していた物のようで、今まで投げてきていたものよりも大分厚い。
それへ向けて思いっきり左拳を叩きつけてグラトニーだが、濁った柿色の何かを纏った方は簡単には砕けず、対処しきれずに直撃をもらった。
「あれって……物を強化してる?」
『十中八九それだろウナ。でなきゃ当たり所が悪くテモ、コンクリートの塊一発で建物が崩れるカヨ』
力が分かれば何のその、ならば近付いて殴ればいい。
次々飛んでくる塊を避けながら肉薄しようとし……左側から飛んできたものを切断してグラトニーは驚いた。
「コレ風船!?」
『オイオイ、コンクリートみたいに地面に突き刺さっタゼ!? 何だコリャ!』
しかも驚くべき事に、真っ二つになったというのに空気が抜けていないかの如く、風船は分断されても丸い形を保っていた。
驚愕している間にも、食べ物から草から遊具から機材からコンクリートまで何でもかんでも投げ飛ばされてきて、しかもそれら全てがどれだけ軟な物でも当たった物の方を破壊しているばかりか、パフェでさえ落ちても形が一切崩れず中身もこぼれない。
『強化+物質固定って訳カ。力が勝リャ形は変られルガ、固定されたまんま動かないのは変わり無シト』
「だからどんなものでも凶器に……うわっ! ってマネキンと銅鑼焼き!?」
『まだまだ来ルゼ、変なモン来ても突っ込んデケ!!』
「ん! 了解!」
左手で叩き落とし、右足で迎撃し、体を捻って避け続ける。距離が縮まる事に比例して段々と弾幕もあつくなっていくが、それでも確実に徐々に徐々に近づいて行く。
周りは既にクレーターや破壊跡だらけの大惨事だ。
〔ギョオオオオッ!!〕
「! 今っ!!」
『オオ! 殴り飛ばしやがっタカ!』
〔ジョオゴオオッ!?〕
またまた飛んできたコンクリートをグラトニーは避けずに殴り返し、性質を利用して逆に相手に当てて見せた。
下方向へ向いた腕も利用して空気を噴出、そのまま勢いよく浮かび上がって近距離でエレメリアンの上を取る。
「落ちろおっ!」
グラトニーは “風刃松濤” を腕の付け根目がけて撃ち放った。片腕を断っ
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