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寄生捕喰者とツインテール
現れた予兆
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ように、正体不明のエレメリアンは体を沈ませ一人の女性へと突っ込んで行く。



「! くうっ!!」

〔グルルルルルォォォ……〕



 咄嗟に割り込んでエメレリアンの突進を食い止めるグラトニー。

 自分達に突っ込んできたのを見てもなお、危機感を殆ど待たずにちょこちょこと、アイドル達はテイルレッドを探しながら少しずつ離れていく。


 グラトニーがエメレリアンを投げ飛ばして彼女達の方へ向かおうとした時、突進を喰いとめられたエレメリアンは自分から距離を取ったかと思うと徐に地面へ拳を叩きつけ、


「地面がっ!?」

〔グォォォッ!!〕


 コンクリートをグバッと持ち上げて、思いっきりアイドル達の方向へ投げつけた。非難すらしていない彼女達は、唐突な危機を前に呆然としている。


『相棒ッ!!』

「……ッ!? ウオオォォッ!!」


 そのコンクリート塊を空気爆発により一気に追い越して、右拳を叩きつけ荒くバラバラに砕き割ったた。

 破片が飛び散り、彼女達数名の肌を掠める。


「……へ?」

「逃げる! 早く!!」


 更にエレメリアンが、濁った柿色の何かを纏ったコンクリート塊をマシンガンもかくやと連続で投げ付けてくる。侵略初日にリザドギルディが吹き飛ばした自動車よりも大きな塊がすっ飛んでくる様を見て、彼女達はようやく自分達に襲いかかる危険を悟ったか悲鳴を上げ始めた。




「い、いやぁっぁああああ!?」
「何なのよ!? 何なのよあれぇっ!?」
「テイルレッドっ、助けてぇ!」


「く……うらああっ!!」



 だがグラトニーの促しなど耳に入れず、唐突な恐怖について行けないのか悲鳴を上げるだけで彼女達は動こうとしない。


 バラバラに放たれたコンクリート塊を律儀に右拳で粉砕していては間に合わない……グラトニーはそう判断し瞬時に右足を振りかぶって、“風刃松濤(ふうばしょうとう)”で全てを切断。
 
 上下に分かたれた塊は、あらぬ方向へすっ飛んで行き、下にそれたモノは建物にぶち当たり砕けて倒壊、上側にそれたモノは煌びやかなステージを形が連想し難くなるほど粉々に吹き飛ばした。


 風刃の勢いは死なぬまま正体不明のエレメリアンへとぶつかるが、やはり威力が低い為かそれは彼に斬り込みを入れただけで大した傷は負わせていない。


〔ジョオオオオオオオオ!!〕

「……怒った」

『そりゃ怒るワナ。だが意識はこっちにそれタゼ』


 もう女性らは目に入っていないのか、エレメリアンはグラトニーへ向けて突貫してきた。

 グラトニーは後ろへ蹴り飛ばす形で飛び越えて回避と攻撃を行うと、勢いで自分が飛び上がった事を利用し
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