現れた予兆
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『アホかあいつは……巨乳属性の属性力を取り入れよウガ、属性玉を手に入れよウガ、受け入れる器が無けりゃどうにもならねぇっテノ』
「……ブルーに器、無いの?」
『無イ』
オブラートにも包まず躊躇する事も無く、ラースは堂々と言い切った。更に追い打ちとして、彼女には貧乳属性が存在している事も明かした。
ラース曰く、貧乳を気にし過ぎなうえに母性がないのが原因らしい。
『それより早く行こウゼ。全然強くネぇし、熟成してもたかが知れてっカラ、右拳だけでOKヨ』
「了か――――」
「エクゼキュートウェエェエエエエイブゥゥゥッ!!!」
「乳とは―――――」
「よっしゃあ! 巨乳ゲットォ!!」
「ヒデェえッ!?」
「『…………』」
グラトニーが承諾の言葉を言いかけるのと同時、テイルブルーは初っ端から必殺技を放って、バッファローギルディを爆散させてしまった。
グラトニーも初っ端から必殺技級の技を叩き込む事はあるが、こっちは食事として必要だからであり、向こうはなまじヒーローとして活動している事と、グラトニーとは違い生きる事には関係ない私情と私怨込みでの必殺技なので、ハイエナの如く属性玉を探し凶悪な顔をしているのも含めて余計にタチが悪い。
更に付け加えるなら、期待を背負い敗れる覚悟の上で出陣してきたバッファローギルディが、その覚悟も木端微塵に吹き散らされた事に同情せざるを得ないというのも、ヒドイ原因の一つにある。
まあ、グラトニーにとっては食事にありつけなかった事の方が問題のようで、腹をさすって空しそうな表情で指を咥えている。
……瀧馬の黒歴史に、また一ページ刻まれた。
「……食べれなかった」
『ありゃしょうがねェヨ。それにいいじゃねェカ、どうせ巨乳にはなれないから報いは十分受けるシヨ』
「そういう問題かなぁ……」
『そういう問題にしトケ、大人しクヨ』
渋々、本当に渋々ながらラースの言い分に納得して、眼下でまたもみくちゃにされかかっているテイルレッドを、テイルブルーがリボン状パーツが大きくなって出来た翼で飛びながら助け、しかし途中で万歳と両手を上げてテイルレッドを落とし、地面に人型のくぼみを作ったテイルレッドへ再び群がる人々を見ながら吐きまくりな溜息と共にワープするのであった。
……否、ワープする『筈』だった。
いくら待っても景色が変わらない事を怪訝に思ったか、グラトニーが少し顔を下へ傾けてラースへ問いかける。
「ラース? どうしたの……?」
『ふざけんナヨ……!? 何でここに居やガル……!』
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