第6章 流されて異界
第106話 βエンドルフィン中毒?
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も権限が委譲されるようにして居ます。つまり、有希が言うように霊的なレベルに於いてこの部屋と言うのは俺と彼女の部屋と言う事。
二人はほぼ同格。部屋の女主人と男主人。この関係を、完全に魔法と言う世界に踏み込んだ訳ではないけどある程度の素養がある人間から見て、自分たちに一番分かり易い表現をすると……。
「そもそも恋愛感情なんて一時の気の迷い。精神病の一種なんだから」
ハルヒや朝倉さんにも、魔法と言う闇に覆われた世界の影響がかなり現れつつあるのかも知れない。少し難しい顔で一瞬、そう考える俺。しかし、そんな俺の気持ちなど気にするはずもないハルヒが、何と言うか恋に憧れている年頃の乙女としては明らかに常識外れの台詞を口にした。
……いや、これももしかすると朝倉さんが指摘した内容が余りにも核心を付いて居たが故に、売り言葉に買い言葉、と言う、ある意味勢いのみで発した言葉の可能性も有りますが。
ただ……。
「ハルヒ。それは間違いやで」
ハルヒがどう言う心算で先ほどの台詞を口にしたのか意味不明ですが、流石にこの言葉を投げっぱなしにする訳には行かない。そう考えた俺が、取り敢えずもっともらしい仕草。右手の人差し指と親指で自らの顎を摘まみ、左腕は胸の前で組む。左足を半歩前。体重は右足のほぼ全体重を預けた形の立ち姿でそう話し掛けた。
まるで、相手。小説に登場する探偵が相手の証言の矛盾を指摘する瞬間のようなポーズ。
対して、
「何よ。何か文句が有るって言うの?」
取り敢えず聞いて上げるからさっさと話しなさい。そう言う心の声が今にも聞こえて来そうなハルヒ。相変わらず胸の前で腕を組む……と言うか、まるで自らのバストを強調するかのような立ち姿に、上から目線の言葉や態度が様に成る。
そして、
「そうですよね、武神さん。さっきの涼宮さんの台詞は流石に女の子としてはどうかしているとしか言い様がない台詞ですよね」
何故か、自分の事を擁護してくれると思い込んだかのような台詞を口にする朝倉さん。いや、おそらく彼女が求めて居るのは自分の先ほどの台詞の肯定などではなく、少し浮世離れした……奇矯や、織田信長風に言うのならうつけと言うべき世間一般の常識から外れたハルヒを自分たちの居る世界に止め置いてくれ、と言う事だと思う。
おそらく、普通。他人と同じだと言う事を嫌って居る感じのするハルヒの事を考えての事。……だとは思うのですが。
但し……。
「恋愛感情と言うのは脳内麻薬の働きに因る物。少なくとも精神病の一種と言うには語弊があると思うぞ」
一目ぼれなどと言うのは、これの典型的な例。以前の経験などから、脳が好みの人間が現れた瞬間に大量の脳内麻薬を発生させる。それが一目ぼれ。ボーイ・ミーツ・ガールと言う現象を
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