暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth20生命の源なる海の中で・・・〜Drachen des OzeanE〜
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た。弾幕で私の動きを鈍らせ、水圧の斬撃で決めにかかるという手だな。ならば私は真っ向からの相殺といこう。周囲の水流を操作、砲撃ヴァダーヒスモスを12本と放つ。
相殺しきれなかった斬撃が掠めていく。その間に海面へと向かう。せめて深度50mまで上がらないと。コーティングが破れても死なないためには、コーティング破壊イコール一発死を免れる事の出来る海面近くまで上がらなければ。

――ギデオンの咆哮――

真下から砲撃を放ちながら追泳してきたアンナ。様子を窺うために僅かに視線を真下に向け、気づく。

「アンナ・・・!」

海中でもハッキリと判るほどに彼女は泣いて、涙を流していた。アンナはクシャっと顔をゆがめ「止まらないの! オーディンさん!」悲鳴を上げた。

(止まらない? 魔族としての“力”がアンナの意識を邪魔をしているのか・・・?)

「私の体なのに・・・止まってくれないのっ!」

遊泳速度が一気に跳ね上がり、アンナの姿を見失ってしまった。

「水中戦で敵の姿を見失うのって・・・最下層魔界で試合ったヤツ以来だな・・・」

あの時は、ボロクソに負けたよな・・・。あぁそうだ、負けたんだよ、アンナ。君と同じ姿をした魔族に。

「アルベルトゥス・フォカロルの血族、そうなんだよな君は・・・!」

「っ・・・!」

私の目の前に突如として現れたアンナの目が大きく見開らかれた。君の体に流れている血、その持ち主である魔族の名はアルベルトゥス・フォカロル一族。私が戦ったのはエレウシス・アルベルトゥス・フォカロル。アンナ、君の血族の主の名だ。するとアンナは「やっぱり・・・あなたの正体は・・・」そう信じられないが信じるしかないといった複雑そうな表情を見せた――のも束の間。

「ダメっ!」

――ミリアムの聖歌――

「LAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA !!」

アンナが大きく口を開け、「ぅぐ!」『ひゃう!?』超音波を叩き込んできた。私だけでなく融合状態であるアイリにまでダメージが通った。それが原因なのかアイリとの融合を強制解除されてしまう。すると当然のごとくアイリが「ごぼごぼっ『く、苦しいマイスター!』」溺れだす。すぐさま魔力コーティングをアイリに施す。その隙をアンナは的確についてきた。“アインホルン”の刺突。私は咄嗟にアイリを胸に庇う。

「オーディンさん!?」「げほっごほっ、マイスターっ!」

超音波によるダメージもあって魔道発動や回避すらも出来ず、“アインホルン”の刺突を右肩に受けた。私の右肩を貫く“アインホルン”を持つアンナの手が震えているのが判る。アイリが「よくもっ!」と殺気を漲らせ、「落ち着けアイリ」と宥めるが、聴きそうにない。
アンナは「もう嫌、こんな事、し
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