暁 〜小説投稿サイト〜
闇物語
コヨミフェイル
004
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 恐竜の大絶滅以来の大事件だろ!
 というか、僕限定なんだな!全然嬉しくとも何ともないけど!
 「それより、阿良々木くん。いつも勉強してますよアピールの一環で、なにかと早く御登校なさる阿良々木くんがどうして、学校を目上の人に逆らわない無能を製造する施設だと見なし、できるだけ触れないようにぎりぎりで登校する私よりも遅い御登校なのかしら」
 刺のある言い方だった。先程までの和やかな(?)雰囲気は一瞬で雲散霧消していた。
 「夏休みも終わるというのに、私とならまだしも、どこに小学生と乳繰り合う時間があるというのかしら」
 見ていたのか?
 いや、それはない。なぜなら僕が八九寺と戯れていた道は戦場ヶ原がかなりの遠回りを覚悟しない限り絶対に通り得ないのだ。戦場ヶ原が遠回りして僕が八九寺を発見したところを見たとしたら、距離的に徒歩では学校に間に合わないだろう。
 というと、勘か?
 そうだとすると、皆勘が鋭過ぎないか?
 既に驚きの域を越えて恐怖だよ。
 いつからこの町は超能力者の巣窟になったんだ。いや、それとも、これが所謂女の勘ってやつなのか。
 ……きっとそうだろう。
 確かにこの世は得体の知れない超常現象で溢れているが、流石に僕の周りだけが千里眼とか地獄耳とか読心術とか持ってる人の率が高いということはないだろう。突然に女子にモテる主人公補正はあっても突然に超能力者との遭遇率が上がる主人公補正など寡聞にして知らない。
 ならば、ここで素直に白状するのは得策じゃない。戦場ヶ原だって何の根拠もなく言っているのだ。認めれば、何されるかわかったもんじゃない。戦場ヶ原の前に日本国憲法も少林寺拳法もみな紙屑同然なのだ。
 ここは当たり障りのない言葉で切り抜けるしかなかろう。
 「あははっ。何のことかさっぱり――」
 だなあ、と言い終える寸前に遮られた。
 二本の指によって。
 その二本の指が、人差し指と中指のピースサインなのだが、そんな幸せな感じではまったくない。
 それどころか、その真逆。
 生殺与奪を握られて僕には未来の光が見えなかった。
 何も見えなかった。
 そう、戦場ヶ原の指以外は。
 戦場ヶ原の右手の人差し指が僕の右の眼球を、中指が僕の左の眼球を寸分違わず捉えていた。
 つまり、目潰しだった。
 実はアニメで見る目潰し、戦場ヶ原が実演してくださっている目潰しは間違いで、空手などでは手刀の側面で上から擦るように目潰しをする。
 理由は簡単で手刀でした方が命中精度があって安全だからだ。ドラゴンボールでお馴染みのピースサインの目潰しなんて実際は動いている敵の目に当てるのは極めて難しく、逆にその指を取られて外されたり、折られたりする危険性がある。
 しかし、それをやってのけるのが戦場ヶ原である。
 指と眼球の間の距
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ