マブラヴ
0837話
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く、笑みを浮かべてマイクへとそう告げる。
「貴方は?」
「あら、ご存じありませんでしたか。失礼しました。私はシャドウミラーの外交を担当しているエザリア・ジュールといいます」
「なるほど。貴方が……失礼しました。こちらとしてもそちらの情報を集めていたのですが、何分どうしても情報が少なかったもので」
「確かにそれはしょうがないですね。私達シャドウミラーはこの世界とは隔絶した存在なのですから、この世界の人間には色々と理解出来ない事もあるでしょうし」
「いえいえ。同じ人間なのですから、そこまで心配する必要もありませんよ」
お互いに笑みを浮かべながら会話を交わす2人。
そんな2人を見ながら、レモンは小さく肩を竦めて暇潰し代わりに輸送トレーラーへと視線を向け、ジョンは微かに眉を顰めている。
エザリアとマイクの言葉の裏を理解しているからこそだろう。
エザリアは交渉相手の情報収集能力の低さを揶揄し、マイクはシャドウミラーのような小国の情報は少なくて当然と返す。それに対してシャドウミラーの方が遙か先を行っているのだから、己の分を弁えろとエザリアが匂わせ、マイクが同じ人間なのだから技術を盾にするような真似をしないようにと釘を刺す。
……正直な話、こういう裏のやり取りを理解出来るようになったのは嬉しいのやら、悲しいのやら。
「ねえ、エザリア。そっちのマイクとかいう人も。ここで話していてもしょうがないし、機体の引き渡しをそろそろ始めてもいいかしら?」
そんな2人のやり取りに飽きたのか、溜息を吐きながらそう告げるレモン。
マイクは、そんなレモンに対して小さく頭を下げる。
恐らく先程の実質的なNo.2だという言葉を聞いているからこそだろうが。
「それは失礼しました。確かに機体の引き渡しに来たのですから、そちらを優先して貰って構いません。……ところで、その肝心の機体はどこに?」
ジョンを差し置きつつそう口にするマイクだが、この時点でジョンが自分よりも年下のマイクの言葉に何を言うでも無く眉を顰めているのを見れば、マイクがただの国連から派遣されてきた人物ではないというのは明らかだ。
いや、実際に国連に所属してはいるのかもしれないが、その実マイクの忠誠心は国連では無くアメリカに捧げられているというべきか。
「ここだよ」
ジョンとマイクの無言のやり取りをを眺めつつ、F-15Cを1機、俺の隣へと空間倉庫から取り出す。続けて空間倉庫の中に入っている機体を次々に出していく。
「これは……報告では聞いてたが、本当に……」
何も無い空間からいきなりF-15Cが姿を現したのには、さすがに驚いたのだろう。マイクの目は見開き、俺とF-15Cを何度となく見比べる。
その様子は、つい先程までエザリアとやり合
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