暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth18風は吹き荒び、焔は燃え上がり〜Flamme VS sturM〜
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さらに腕を伸ばし、ファルコの肘からバリバリと音がし始めた。奴が脂汗をかき始める。そしてついに奴は“レヴァンティン”のワイヤーを掴んでいた左手を放した。シュランゲフォルムからシュベルトフォルムへと戻しつつ、「っ? ぐああぁぁああああああっ!」奴の靭帯を断裂させた。これでもう奴の腕は動くまい。魔法陣を解除し、私は宙へ留まり、痛みに悶える奴は真っ逆さまに落下していった。

『シグナム。ファルコとフュンフにトドメを刺すの・・?』

「ここで討っておかなければ、今後の我々の障害になるやもしれん。辛いか?」

『・・・・ううん。もうあたしとフュンフは敵だもん。やって、シグナム』

「・・・そうか、判った。レヴァンティン!」

カートリッジをロードし、火炎の斬撃を見舞う紫電一閃を発動。今もなお落下を続けるファルコへ向かって急降下。私の接近に気付いた奴は空を蹴り、落下を止めた。だがそれは私との距離をいたずらに縮める行為。それに、痛みによって今の私の一撃に対処できるだけの集中力などあるまい。
交差するまで残り僅かとなったところで、ファルコに異変が起きた。ガクッと俯いたと思えば髪の色がフュンフの翡翠一色へと変化。ふと脳裏に過る、先の戦闘で討ったゲルトの姿。完全に融合騎に支配されていた時と同じ。ファルコが勢いよく顔を上げた。『融合騎として、ロードを護るわっ』聞こえてきたのはフュンフの決意の思念通話のみ。

「ファルコの意識を乗っ取ったか・・・!」

間合いに入った事で、「紫電一閃!!」とにかく“レヴァンティン”を振るう。ファルコの意識を乗っ取り身体を操るフュンフは、先手の私の一撃より早くその場から離脱。空を切った“レヴァンティン”を引き戻したと同時、「ぐっ・・・!?」背中にドンと衝撃。背後に回り込まれた。振り向きざまに“レヴァンティン”を振るうが、すでにそこには誰も居なかった。

(今の・・・どうやら背中を蹴られたようだな・・・!)

それにしても、だ。爪で攻撃されていたらさすがの私も深手を負っていたはず。いつでも私を害せるという余裕からか? だとすればすぐにでも後悔するぞ、フュンフ。

『フフ、ウフフ。私は融合騎プロトタイプ、最速の風の五番騎フュンフ! ファルコの人間として能力の限界を融合騎としての私の能力で超えてこの身体を操れば、最速の騎士ファルコの誕生よ!』

離れたところで靭帯が断裂した右腕をダラリと下げながらも意気揚々と語るフュンフは、『速さを制した者こそ最強よっ!』改めて胸を張って告げた。

『フュンフの感覚で人の身体を操ったりなんかしたら、その人の身体が壊れる・・・!』

『・・・・そうね。でもここで殺されるよりはまだずっとマシよ。壊れた部分は治せばいいの・・・よっ!』

――ヴィント・バイセン――

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