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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth18風は吹き荒び、焔は燃え上がり〜Flamme VS sturM〜
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こに至って当然か。しかし事実は違う。だがどう説明すればいいのか。彼女の正体は、私の時代にしか通用しないものだ。

(まさかアンナが魔族、しかも最下層の海竜だったとは・・・!)

魔族。人間や他の生命が住まう次元・表層世界とは違う次元・裏層世界(通称:魔界)の住人だ。魔族と人間の関わりは、私がまだ人間だった頃が末期。魔術が廃れ、魔導という新たな技術が生まれた現代では会う事など、存在を知る事すらないはずだ。

『マイスター、どうするの? あの人が、アイリ達が助けないといけないアンナって人なんだよね?』

「『ああ。だが・・・』む・・・っ!」

――エノクの鎖人――

また水柱が上がる。今度は海水の槍ではなく薄っぺらな人の形を成した。それが8体(いや、枚と数えるべきか?)。アンナが私を見、指差した。8体の水の人形が一斉に向かって来た。狙いは私か。『私一人で相手にする。各騎は、他の空戦戦力の迎撃を!』全騎にそう思念通話を送る。

「エヴェストルム!」

剣槍“エヴェストルム”を起動して柄を半ばで分断、二剣一対のツヴィリンゲン・シュベーアトフォルムにする。“エヴェストルム”の穂の根元にあるシリンダーのカートリッジを1発づつロード。

――集い纏え(コード)汝の氷雪槍(パゴスゼルエル)――

刀身に冷気を付加。まず最初に到達した人形を寸断。ソイツは一瞬で凍結、粉砕される。私たちの魔力だけにしかない “力”――神秘を見れば、ギリギリ私が上。魔導は、純粋に魔力量や効果で勝敗が決まる。魔道は、魔力量だけでなく神秘と言われる特殊な“力”の強弱が最重要だ。
神秘を打倒するにはそれ以上の神秘を以って当たるべし。それが、当時の魔術師の絶対の摂理。弱体化し、人間だった頃より遥かに弱くなった私でも、魔族化しているアンナの神秘にもまだ負けていない。

――エロンの渦陣――

次々と生まれ向かって来る水人形を凍結粉砕しているところに、私を包囲するかのように海水の竜巻が環状にいくつも発生。水圧もさる事ながら神秘が格段に上がっている。竜巻を突破する、という手段は取れない。ならば空から。竜巻の高さは目測で80m強。一瞬で上がれる高さだ。
しかしまぁアンナもそれくらいは判っているだろう。むしろ唯一の逃げ場という事で何かしらの攻撃を加えて来るだろうな。だが、徐々に狭まって来ている以上留まれない。罠だろうが何だろうが、悉く突破してくれる。急上昇――した瞬間、私の居る内側に傾れ込むように水の竜巻が崩れた。

(海中に引きずり込む気か・・・!)

†††Sideオーディン⇒シグナム†††

「オーディン!」『マイスターっ!』

オーディンを包囲するかのように発生した幾つもの海水の竜巻が一斉に内側に崩れ、オーディンを呑み込み、海中へと引
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