第1部
第10話 激闘、横須賀沖迎撃戦〜其ノ弐〜
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フルから放たれる高出力のメガ粒子が的確に、かつ確実に深海悽艦の空母の飛行甲板を撃ち抜いた。
軽母ヌ級5隻と空母ヲ級10隻の飛行甲板が瞬く間に破砕され、うち5隻が大規模な爆発を起こした。
脇を対空砲の砲弾が通り過ぎる。
意外と対応が早いようだ。
スラスターを切り、脚部緊急ブースターを点火。
重力とスラスター、ブースターの推力が相まって、バーサークヘリオンは高速で海面へ落下していく。
生き残った空母は10隻。
だが自己修復出来ない空母群は泡を食ったようにバーサークヘリオンから離れようとした。
離れようとした空母ヌ級が、並走していた戦艦タ級に激突。
手傷を負っていたヌ級はタ級の頑強な装甲に艦首を潰され、艦載機が誘爆し呆気なく爆沈。
タ級は激突された勢いで船体が裂け、浸水。
どんどん傾斜していき、前方に割り込んできた空母ヲ級に更に衝突。
被害が拡大した。
「そろそろか……」
対空砲を叩き潰した空母ヲ級の飛行甲板に着地し、艦橋をビームキャノンで吹き飛ばしながら、コンソールを指で叩いた。
???
同時刻
いざなぎ型ミサイル重巡洋艦1番艦いざなぎ 艦橋
「霊子変動増大ッ?? アマテラス=A敵空母群撃滅ッ??」
「リンドヴルムより入電ッ?? フェイズ3に移行しますッ??」
ミサイル重巡洋艦いざなぎ。
日本帝国海軍の元聯合艦隊総旗艦を務めた新鋭艦である。
全長253m、全幅35m、総排水量15000tを誇る巨大艦であり、便宜上は重巡洋艦を名乗っているものの、その巨躯は戦艦と言って差し支えない。
動体検知式レーダーに霊子電探を搭載し、90mm連装速射砲を艦首に一基、対艦ミサイル用VSL20セル二基、拠点攻略用大型ミサイル用VSLを4基、5連装中型魚雷発射管を2基備えている。
「リンドヴルム、急速浮上ッ??
し、信じられん……」
そのいざなぎの艦橋、艦長席に座る男は、副長の驚愕の声に少しだけ閉じた目を開いた。
帝国海軍大将、紅蓮醍三郎その人である。
史上最年少で帝国海軍大将へ上り詰め、厳格かつ堂々たる猛将として名を馳せる人物だ。
征威大将軍煌武院悠陽の良き理解者であり、艦娘推進派として対深海悽艦戦術にいち早く理解を示した人物でもあり、将兵の間でも絶大な支持を得ている。
紅蓮の目に飛び込んできたのは、あの巨大艦……リンドヴルムが海上に浮き上がる姿であった。
リンドヴルムのミノフスキークラフト、と言うものの成せる技である事は聞き及んていたが、実際目にすると、確かに信じ難くもある光景であり、彼らが未来の異世界から来た、と言う話も納得せざるを得ない。
リンドヴルムの艦底部、脇腹の部分にあたる場所に配置された黄色い部分から、巨大な砲が迫り出してきた。
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