魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり4
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が――例えそれが他人の記憶であっても、辛い記憶は胸を締めあげるものだ。
「ひょっとして、その人がニミュエさんなの?」
言ったのは、フェイトだった。思わず言葉に詰まる。その言葉は正しい。正しいからこそ、困惑させた。そんな話を、俺は彼女にしたか?
「その通りだが……そんな事を話したか?」
「う、うん……。確か」
フェイトは曖昧に頷く。俺が話した訳ではないのは明白だった。何故彼女がその名前を知っているのか。気にはなるが――今は後回しにすべきだろう。
「彼女こそが恩師の最初の相棒であり、殺戮衝動の持ち主……生みの親だ。彼女を生贄とした事で、その衝動も恩師に受け継がれる事になった」
「そのニミュエさんは誰を怨んでいたの?」
次に言ったのはリンディだった。どうやら、その由来についてはある程度聞いているらしい。情報の出所はリブロムだろう。
「母親だ。何で今さらあの衝動が目覚めたのか。その理由も、そこにある」
舞台裏を暴くのはいささか無粋のように思えるが……どうやらここにいるのは無粋者ばかりであるらしい。それなら仕方がない。
それなら精々、劇的な物語に仕立て上げてやるとしよう。
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