第二の晩 (2)
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だ。】」
「“秀吉叔父さん、源次さんにはアリバイが無い”」
「......拒否する」
戦人の口元が緩んだ。余裕の笑み。
こらから[青]を使ってくるのかと身構える。だが、その気配は一向に出てこない。...どうした?
「まさか、今更親族を疑えないってんじゃないだろうな」
「......」
「ベアトリーチェ。今までの戦績を教えろ」
「わ、妾の不戦勝だ」
つまり、何だ? この戦人は、魔女や魔法は信じないと言いつつもミステリーであることすら否定しているのか。いつまでも終わらない、不毛な戦い。......ふざけるな。
タチの悪い奴を呼び出してしまった。
こいつは、深淵の海の底に沈めてやろう。この世界と共に。だが、ゲームは終わらせなければならない。こんな奴が相手でも、だ。
「言っておくが、今回のゲームにリセットは無い。不戦勝は認めない。お前の甘い考えは通用しない。真剣に挑め。妹が待っているんじゃないのか?」
「縁寿...? ああ、そうだ。縁寿が、俺の帰りを待ってるんだ。俺は、こんな所で遊んでる暇なんてなかった...」
「ちょっと! ローガン、ルール違反よ!?」
流石に察しがいいな、とラムダデルタの忠告に鼻で笑って返す。
ルール違反なものか。むしろ、戦人の方がルール違反だろう。全てがイレギュラーではあるが、こんな不毛な終わらない世界を望む者などいない。
少しだけ、他の世界の戦人たちと同化させた。記憶の共有は無い。それに、こんな荒療治は今回だけだ。
「......好きにすれば?」
「でも、ベルン〜...」
俺の目的を果たすためだ。ペナルティなら、受ける覚悟は出来ている。
仮にも“神”と呼ばれている俺に対するペナルティなど高が知れる。それに、世界ごと消せば証拠は失くなる。目の前の魔女たちには、何も出来ない。
「安心しろ。お前らには、害が及ばないようにしてやるよ」
「当たり前でしょう。そうじゃないと割が合わないわ」
ベルンカステルは賢い。俺の考えはある程度読めているはずだ。それに加え、退屈を嫌うこいつだからこそ理解してくれる。
戦人の正体を知った時に曇った目に、輝きを取り戻したように見える。かつて、こいつが人間だった時に共に闘ったことを覚えているのか、その横顔はあの時の嬉しそうにした笑みによく似ていた。
「さあ、戦人。もう一度確認だ。
【死体発見時、部屋の中の生存者は2人。それは譲治、狼銃だ。】
お前の復唱要求、“秀吉、源次にはアリバイが無い”は復唱拒否させてもらう。これらを踏まえ、お前はどういう手を示す?」
「さっきまでの俺は、どうかしてたんだ。駄目だ。全っ然駄目だな、俺
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