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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth17燃えるベルカ・イリュリア戦争〜The Illyrian waR〜
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レーベンヴェルト最初の女王となる我、テウタ・フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルトと、ご先祖様が遺したるこのエテメンアンキが叶えましょう。ですからもうしばらくの間、お待ちくださいませ」

テウタのみしか存在していなかった藍色の空間に、空間モニターが展開された。表示されているのは、今現在テウタの居る場所であるエテメンアンキの全体図だ。全高21kmの塔であるエテメンアンキ。頂上は開かれた傘の骨の様で、テウタが居るこの空間はエテメンアンキの先の先に在る管制室だ。エテメンアンキの各階層の機能状態が次々と蘇っていく事が表示されていく。数百年の眠りからついに目を覚ましたエテメンアンキ。とは言えその力を揮うにはもうしばらく掛かるが。

『テウタ陛下、ご報告が』

別のモニターが展開され、映っている騎士団総長グレゴールがそう告げた。テウタは「何か問題でも?」と興味なさそうに訊き返した。エテメンアンキの完全稼働まで残り1〜2時間。今さら何が起きようとも大して障害にならないと考えているためだ。

『シュトゥラのマクシミリアン艦隊とバルトの三国混合騎士団が、王都への進攻を企てているとの報告が入りました』

「そうですか。ミナレットの稼働状況はどうですか? その二大勢力に何発か撃ち込んだようですが」

『・・・バルトについては順調にその効果を発揮していますが、シュトゥラに於いては・・・魔神よって不発と続いています』

「魔神ですか。やはり彼が我々イリュリアにとっての最大の壁のようですね。エリーゼ卿を手中に収めていれば、その動きを制限出来たのかもしれませんが・・・」

それを聴き、グレゴールは『誠に申し訳ありませんでした』と深々と頭を下げて謝罪した。テウタは別に責める気などなかった。確かにオーディンの魔力供給源であるエリーゼを手中に出来なかった。しかし、その代わりに――いや、エリーゼ以上に価値のある者を手に入れる事が出来た。それゆえに「まぁ仕方がないですね。王都に駐留している騎士団に、都民の避難誘導をさせなさい」と指示を出す。

「艦隊は、このエテメンアンキで迎撃します」

『かしこまりました。それともう1つ、アンナ・ラインラント・ハーメルンの事ですが』

グレゴールの口からエリーゼの身代わりとして拉致されたアンナの名が出てきた。

「彼女ですか。ガーデンベルグ様とグランフェリア様の仰る通りにして下さい」

さらに驚愕の名前がテウタの口から発せられた。ガーデンベルグとグランフェリア。共にオーディン――ルシリオンが2万年近く追い求めてきた“堕天使エグリゴリ”の隊長と参謀だ。グランフェリアはまだしもガーデンベルグのその実力は、現ベルカにおいて・・・次元世界で最強。イリュリアを恐怖させているオーディンすら上回っている。その
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