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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth17燃えるベルカ・イリュリア戦争〜The Illyrian waR〜
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の場合、撃沈しろ。あと、この街には一切の被害を出すな』と指示を出しておく。テンパランチアは魔力攻撃を食べる事で体を維持する事が出来る。カリブルヌスはちょうど良い餌というわけだ。テンパランチアは『任務了承、我が主君ドミヌス』と12頭すべてからの大合唱。
アンゲルスの内、節制のテンパランチアは数少ない防衛タイプの天使。こういう防衛戦にはうってつけだ。アンゲルスを従える事になった契約でも、天界に攻めて来た人間と悪魔混合軍の防衛に一役買ってくれた。話を戻して、後続の防衛騎士団へアムル奪還を報せるために、魔力で創った鳥に手紙を持たせ飛ばせる。
「じゃあ行こう。クラウス達マクシミリアン艦隊ももう出ている頃だ」
王都攻略が本格的に始まる前に潰さないとな。決意を新たにアムルから、ミナレットの在るイリュリア沖の島へと向かう。
?―?―?―?―?―?
――イリュリア王都スコドラ/森林地区コースフェルド/???
王城の在る王都中心部より遠く離れたそこは、木々に覆われた自然豊かな森林地区コースフェルド。ファルコ・アイブリンガー率いる騎士団・地駆けし疾狼騎士団フォーアライター・オルデンの鍛錬場所である。そのコースフェルドは遥か昔――数百年以上も前より開拓する事を禁止されていた。
その理由を知るのはイリュリア王族と執政部、騎士団幹部クラスのみだけだ。コースフェルドの中央には大きく開けた空間が広がっている。直径にして4kmほど。普段ならフォーアライター・オルデンはそこでキャンプを張って、数日間連続で鍛錬を行う。しかし今は、騎士ではなく学者のような連中がその空間にたむろしていた。
「いやぁ、実に興奮しましたよ。伝説のエテメンアンキをこの手で修復できたなんて」
「はは、まったくだ。それにしても。子供の頃から何も無いと思っていたこの場所に、エテメンアンキが在ったとは」
「この数百年、ずっと結界で位相をズラされていたんですよね・・・。だから目に見えずに触れる事さえ出来なかった。でも今は、見えないだけで触れられる」
1人の男が手を何も無い宙に伸ばし、ピタッと何かに触れたかのように止まった。そこには何も無い。しかしソレは在る。聖王のゆりかごに並ぶ最強クラスの兵器・エテメンアンキの外壁が、確かに存在している。
そこは獣たちの楽園たる地上より遥かに高き場所、さながら生命の頂である空。上は星空、下は雲海、周囲360度が藍色のみである成層圏の空に、1人の女性が何かに腰かけている体勢で居た。肩に掛かる程の長さの灰色の髪。眼下に流れる白い雲を眺める双眸は翠色。右手の甲で頬杖をついていることから肘掛椅子と思われる物に座っているようだ。
「ご先祖様、大変お待たせいたしました。レーベンヴェルトの奪還という代々より続く夢が、イリュリア最後の女王にして新生
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