第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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「ウルキオラ君……」
ワルドが呟く。
ルイズとワルドの間に、一瞬で現れたウルキオラは、右手でルイズに襲いかかろうとした『ライトニング・クラウド』をかき消した。
「何をしている、ワルド」
ウルキオラはワルドに向かって言った。
ワルドは答えない。
「どうした?聞いているんだ。ルイズに攻撃を仕掛けて、何のつもりだ…とな」
ワルドは禍々しい笑みを浮かべた。
「何、ルイズが邪魔になったのでね、排除しようと思ったのさ」
「なんだと?」
ウルキオラは冷徹な声で問いかける。
「そのままの意味さ。才能あるものが敵に回るほど、厄介なことはないからね」
ワルドは両手をあげ、首を横に振りながら言った。
ウルキオラは横目でルイズを見た。
ウルキオラ、ウルキオラと泣きながら弱々しい声で、呟いている。
生命に支障はないようだ。
ワルドはそんなウルキオラに提案を持ちかけた。
「ウルキオラ君…私と共に世界を変えないか?」
ワルドの声に、ウルキオラは振り向いた。
「どういう意味だ」
「そのままの意味さ!我ら『レコン・キスタ』の一員に入り、世界を変えよう!君にはそれが出来る!君の力は素晴らしい!あんな小娘など、もはやどうでもいい!君がいれば、あのエルフも敵ではない!」
ルイズは恐怖した。
ワルドがウルキオラを勧誘している。
もしかしたら、ウルキオラが『レコン・キスタ』に行ってしまうかもしれない…。
ルイズは不安で不安で仕方がなかった。
「お前の仲間とやらになれということか?」
ワルドは興奮した口調で言った。
「その通りだ!ウルキオラ君!我らと共に来い!そんな小娘の使い魔などやるより、我らと共に来た方が余程君という力は発揮されるだろう!」
ウルキオラは「ふっ」と笑うと、ワルドと目を合わせた。
「確かに、お前の言うとおりかもな。ワルド」
ルイズは胸が苦しくなった。
ウルキオラが行ってしまう。
自分の元からいなくなってしまう。
涙が津波のように流れた。
悲しすぎて、うまく言葉が出なかった。
「まって…お願い…行かないで…ウルキオラ…」
ルイズは、聞き取れないような、小さな声で、涙ながらに呟いた。
ワルドは満面の笑みを浮かべた。
「そうか!そうか??わかってくれたか!ウルキオラ君!流石は私の見込んだ男だ!」
ワルドは高らかに、大声で笑った。
ルイズは悔しくて、体が震えた。
悲しくて、涙が止まらなかった。
自分に力がないから…自分がウルキオラに何1つしてあげなかったから…ウルキオラを元の世界から無理やり連れてきたから、ウルキオラは行って
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