第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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オンの貴族派だったのね!ワルド!」
ルイズは、わななきながら、怒鳴った。
ワルドは裏切り者だったのだ。
「そうとも。いかにも僕は、アルビオンの貴族派『レコン・キスタ』の一員さ」
ワルドは冷たい、感情のない声で言った。
「どうして!トリステインの貴族であるあなたがどうして??」
「我々はハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。我々に国境はない」
ワルドは再び杖を掲げた。
「ハルケギニアは我々の手で1つになり、始祖ブリミルの降臨せし『聖地』を取り戻すのだ」
「昔は、昔はそんな風じゃなかったわ。何があなたを変えたの?ワルド……」
「月日と、数奇な運命の巡り合わせだ。それが君の知る僕を変えたが、今ここで語る気にはならぬ。話せば長くなるからな」
ルイズは思い出したように杖を握ると、ワルドめがけて振ろうとした。
しかし、ワルドに難なく弾き飛ばされ、床に転がる。
「助けて……」
ルイズは蒼白な顔になって、後退った。
立とうと思っても、腰が抜けて立てないのだ。
ワルドは首を振った。
「だから!だから共に、世界を手に入れようと言ったではないか!」
風の魔法が飛ぶ。
『ウィンド・ブレイク』。
ルイズを紙切れのように吹き飛ばした。
「いやだ……、助けて……」
「いうことを聞かぬ小娘は、首を捻るしかないだろう?なあ、ルイズ」
壁に叩きつけられ、床に転がり、ルイズは呻きをあげた。
涙が溢れる。
このには居ないウルキオラに繰り返し助けを求めた。
「助けて……、お願い」
まるで呪文のように、ルイズは繰り返す。
楽しそうに、ワルドは呪文を詠唱した。
『ライトニング・クラウド』だ。
「残念だよ……。この手で、君の命を奪わねばならないとは……。だが、安心してくれたまえ。君の愛しのウルキオラ君は私が『レコン・キスタ』に引き込んで差し上げよう」
あの魔法をまともに受ければ、命はない。
体中が痛い。
ショックで息が途切れそうだ。
ルイズは子供のように怯えて、涙を流した。
「ウルキオラ!助けて!助けて!!」
ルイズは絶叫した。
呪文が完成し、ワルドがルイズに向かって杖を振り下ろした。
『ライトニング・クラウド』がルイズに向かって伸びていく。
ルイズは目を瞑った。
しかし、いつまで経ってもルイズの体に魔法は襲い掛からなかった。
恐る恐る目を開けると、そこには白い服を身につけ、頭に仮面があり、腰と背中に剣を差した、1人の男がルイズの目の前に、背を向けて立っていた。
「ウ、ウルキオラ…ウルキオラ!」
ルイズは泣きながらその名を連呼した
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