コヨミフェイル
003
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私の毎朝の日課の散歩を邪魔したわけではないのですよね」
ジト目で八九寺が言った。もはや僕は犯罪者にしか見えないらしい。
過去の恩を忘れやがって。飼い犬ならぬ怪異に手を噛まれるとはこのこと言うのだ。
しかも、朝の日課って、朝となく昼となくいつもしてるだろ。散歩も散歩じゃなくて徘徊の間違いだろ。
「用がなければ話し掛けてはダメなのか?少女法とか幼女法とか童女法とかにでも記載されてるのか?」
「ええ、されていますよ、阿良々木さん」
されているのかよ。
「少女保護法の第十四章の第百二十四条に《用件がないにも拘わらず、少女に時間を浪費させる行為、又はそれに準ずる行為を犯した者に対し司法を介さず処刑に処する権限を少女は有する》と書かれていますよ」
「そんな法律一瞬で否決されろっ!」
少女法まさかの悪法。
というか、なんだよ第十四章の第百二十四条って。
日本国憲法より条文あるじゃねえかよ。
「それは冗談として、」
と八九寺は話を戻した。
「『話し掛ける』が先程の一連の行為を指すなら疑問を禁じ得ないのですが、まあ、確かに用がなければ話し掛けてはいけない道理はないですね」
腕を組んで、目をつむり、考え込むようにして八九寺は言った。
どこか納得のいかないような面持ちだった。
「だろ?話題なんて行為に及んでから考えればいいんだ」
「今間違いなく自白と見做されても何等おかしくないことを口にしましたよねっ!」
しまった。八九寺の怒りを蒸し返してしまった。せっかくこのままうやむやにして、ことが静まったのをみて再度行為に及ぶ予定だったのに……。
だがしかし、八九寺は知らない。日本国憲法の第三章の第三十八条に《(3)何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科かせられない》と記述されていることをなっ!
その小学生までの知識と発展途上のそのずん胴ボディを未来永劫悔やむがいい!
「その服装とこの時間帯から察するに登校中であることは明らかですが、急がなくていいのですか、阿良々木さん」
八九寺は少しも怒っている風もなく言った。
…………あれ?怒ってなかったのか、こいつ。
まあ、怒ってないのなら怒ってないでいい。こちらとしても色々と有り難い。
「勘違いされると面倒なので、前以って言っておきますが、阿良々木さん。別に怒ってないわけでないんだからね。だから、夜道では気をつけることをゆめゆめおこたってはいけませんよ」
「ツンデレと脅迫が全然うまく噛み合ってねえよ!」
不協和音にもほどがあるだろ!
「怒ってるんだからね。責任とって主人公の座を辞してください」
「怒っていることを否定しないというツンデレの大原則を覆すという斬新さ!!というか、主人公がい
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