コヨミフェイル
003
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あああちくじいいいいいいいいいいいいいいぃっ!ずっと会いたかったんだぞ、この野郎!」
火憐に負けないぐらいに強く。
鯖折りの如く。
「きゃーっ!」
そして、続けざまに成長途中の貧乳を触ったり、揉んだ。そんな大切な八九寺とのスキンシップの間、八九寺は嬉しさのあまり叫んでいた。
「きゃーっ!きゃーっ!きゃーっ!」
「久しぶりなんだ。思う存分触れさせろ抱き着かせろなめさせろキスさせろ甘えさせろー!こらっ!暴れるな!パンツが脱がせにくいだろうがっ!」
「ぎゃああああああああああっ!」
八九寺は喜びの叫び声を上げ続け、
「がうっ!」
と、僕に噛み付いてきた。
「がうっ!がうっ!がうっ!」
「痛え!何すんだこいつ!」
痛いのも。
何すんだこいつも、やっぱり僕だった。
痛い目には遭ったが、そんなことを差し引いても今回の収穫は大漁だった。一年分はあった。かといって、この僕が八九寺を襲うのを止めるわけがない。
ふふっ、甘い。これから地道に備蓄を続け、死ぬまでその感覚に溺れるのだ。
まあ、冗談はさておき、今は野性化モードの八九寺を我に返させるのが先決だ。
「落ち着け、八九寺。僕をよく見ろ」
「ふしゃーっ!」
八九寺は家猫の威嚇のような声を上げていた。
「ほら、僕だよ。僕。忘れた?八九寺の唯一にして最大の友、阿良々木暦だよ」
詐欺師の常套句から悪びれる風もなく嘘っぱちを言う自分に嫌悪感が沸くばかりだった。
貝木の野郎と変われねえ。
最悪だな、僕。
「ふしゃーっ!ふしゃーっ!ふしゃー……ひっひっふー……」
「産科医F・ラマーズが提唱した分娩の際に行われる呼吸法を試みたところで何もお前からは産まれねえよっ!生まれるのは僕からの突っ込みだけだっ!」
説明を付け足すと、この呼吸法のために日本に分娩に夫も立ち会うという慣習がもたらされたのだそうだ。
うん、極めてどうでもよかったな、この説明。
「……ん……ああ……」
ようやく正気を取り戻したのか、超サイヤ人張りの逆立っていた髪の毛が少しずつ戻り、それに伴って赤く染まった瞳も戻った。
「……せせらぎさんじゃないですか」
「この灼熱の太陽の下では誰もが欲しているものだが、だからと言って他人のことをまるで市民の憩いの場みたいな名前で呼ぶな。僕の名前は阿良々木だ」
「失礼、噛みました」
「違う、わざとだ……」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!」
「鍵閉めた?」
「鍵閉めた!」
なんでここで戸締まり確認っ!!
って、僕鍵本当に閉めたかな…………?
閉めた閉めた。
うん、閉めた。
だって、閉めたのは事実なのだから仕方ない。
「で、何ですか?阿良々木さん。性犯罪に及ぶためだけに
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