コヨミフェイル
002
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着のパーカーのポケットの影からポケットの中にあった携帯を確保し、アラームのログがない僕の携帯を創造して入れ換えたのだろう。
「取り敢えず、ありがとう。今度暇ができたらミスタードーナツに連れてってやるよ」
「その今度がいつになるかせいぜい楽しみに待っておるわ」
眠りについたのかそれからは僕の影から応答がなかった。
一階に下りると、食卓には火憐と月火が着いていた。
隠すことでもないが、僕の両親は揃って警察官である。父が警察官である人は少なくはないと思うが、母が婦人警察官だという人は少ないだろうし、両親ともに警察勤めは更に珍しいのではないだろうか。
聞いたことがないから知らないが、勤め先が馴れ初めであれば、珍しくはあれど、不思議ではないのかもしれない。
まあ、そういうわけで食卓には夜勤の両親を除いた火憐と月火が食卓に着いている。
食卓は一般的な気でできた長方形のもので長い辺の方は二人座れるぐらいのスペースと短い辺の方は一人がちょうど座れるぐらいのスペースがあって食卓にはそれに合わせて六つの椅子がある。長い辺のうち一つは妹共の、もう一方は両親の定位置だ。僕はというと決まった席はない。両親が警察官ということもあって食卓に全員が揃うことは滅多にないから特に僕は決めていない。空いている席を適当に選んで座っている。
「せんちゃんの家で何しよっか」
「歯磨き大会に決まってる!!」
「いや、ダメでしょっ!!」
今日も二人は並んで朝食をほうばりながら仲良くしゃべっていた。今日は千石の家に遊びに行くらしい。
妹共は毎日食卓でその日のファイヤーシスターズの活動の予定、つまり遊びに行く友達の家で何をするかか、今日の相談もしくは恋愛相談相手は誰だとかの話に花を咲かせている。
実はファイヤーシスターズは恋愛相談にまでもチェーン展開している。一度月火にお世話になったことあるが、思いの外その恋愛相談も馬鹿にできないもので、そのとき僕の勘違いを正してくれたという経緯がある。正してくれたから今があると言っても過言ではない。妹に助言を求めることはあれが最初で最後になるだろう。
まあ、しかし、もしあのまま勘違いしたままだったら、月火に相談を持ち掛けなかったら、今僕はどうしていただろうか。羽川と付き合っていたのだろうか。それであのゴールデンウィークの一件はなかったのだろうか。さらに言えば、戦場ヶ原や八九寺、神原の面面に出会っていたのだろうか。今では確かめる術はないが、どうなのだろうとふと思う。
まあ、思うだけでそれ以上はないのだけれど。
過去に戻れたところで僕はあのときの選択を変えるつもりはない。過去の僕の選んだ道なら今の僕もきっとその道を選ぶという確信がある。僕はそういう人間なのだ。
それはさておき、僕の妹共はなんてめでたい奴等な
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