アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第四話 迷宮区にて
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「それにしても君たち、いつも同じ格好だねえ」
と、迷宮区へと続く小路を歩いているとアスナがからかうようにキリトとソレイユに言ってきた。
「い、いいんだよ服にかける金があったあら、少しでもうまいものをだなあ」
「ものすごい言い訳じみてるように聞こえるぞ」
「私とアスナはギルドの制服だから仕方ないとしてもキリト君の黒ずくめはキャラ作り?」
「そ、そんなこと言ったらソレイユはどうなんだよ」
「おれか?おれは・・・」
ソレイユは言葉を区切り後ろに勢いよくふりむいた。その行動を訝しんだ三人はソレイユに問いかけた。
「どうしたの?ソレイユ君」
「・・・人の気配がする。結構数が多いぞ」
「・・・確かに」
ソレイユの言葉を聞きキリトが索敵を行った結果、索敵可能範囲ぎりぎりにプレイヤーの反応があった。キリトがマップを可視モードで開きプレイヤーを示す光点が浮かび上がる。その数、十二。
「多い、ね」
「それより、この並び方」
二列縦隊で進行してきているプレイヤーたち。それを見た一同は顔を見合わせてからキリトが口を開いた。
「一応確認したい。そのへんに隠れてやり過ごそう」
「そうだな」
ソレイユが同意し、アスナとルナも頷く。四人は道を外れて背丈ほどの高さに密集した灌木の茂みにうずくまった。
「あ・・・ど、どうしよ、私着替え持ってきてないよ」
「・・・私も」
マップの好転はすぐそこまで迫ってきている。そこにソレイユがルナに向かって黒いローブを投げつけた。
「それを羽織っとけ。結構隠蔽率が高いぞ」
「う、うん。ありがとう」
そういってルナはローブを羽織る。アスナのほうを見るとキリトがコートでアスナを包み込んでいた。それを見たソレイユとルナが二人をからかい始めた。
「なかいいな、お二方。俺らは邪魔かな?」
「そうだね、ここはお熱いお二人を残して私たちはお暇しますか」
それを聞いたキリトとアスナが顔を真っ赤にして大いにあわてていたが、規則正しい足音がかすかに届き始めたので黙るしかなかった。やがて、小路に姿を現したのは基部フロアを本拠地とする超巨大ギルド≪軍≫であった。
「・・・あの噂、本当だったんだ・・・」
「「噂?」」
「うん。ギルドの例会で聞いたんだけど、≪軍≫が方針を変更して上層部に出てくるらしいって」
「ああ、それか。確か、大人数で迷宮に入って混乱するより、少数精鋭部隊を送って、その戦果でクリアの意思を示すっていう方針になったという」
「そう、それだよ」
「実質プロパガンダなのか。でも、だからっていきなり未踏破層に来て大丈夫なのか・・・?レベルはそこそこありそうだけどな・・・」
「ひょっ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ