アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第四話 迷宮区にて
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たいから、という理由でスキルを上げているソレイユはもうどう表せばいいかわからない。
どこからどこまでつっこんでいいのかわからないキリトとアスナ。ソレイユの破天荒ぶりを知っているルナでも苦笑いをせざるを得ない。
「ま、まあ、悪い連中じゃないから。リーダーの顔はともかく」
それから、全員自己紹介が終わったのでキリトがアスナとルナにそう言った。そして、それを見たクラインがキリトに突っかかる。
「どっどどどどどどどういうことだよキリト」
クラインに突っかかれ返答に窮したキリトの代わりにアスナとルナが答えた。
「こんにちは。しばらくこの二人とパーティー組むので、よろしく」
「よろしくお願いします」
二人の言葉にキリトが仰天しているが、それに構わず落胆と憤怒の間で忙しそうに表情を変えていたクラインが殺気充分の視線をキリトに向ける。
「キリト、てンめぇ・・・」
「ちょ、俺だけ!?」
そんなやり取りをしていると、後方から再び新たな一団の訪れを告げる足音と金属音が響いてきた。その足音を聞いてアスナがキリトに囁いた。
「キリト君、≪軍≫よ!」
その言葉で全員が入り口を注視する。そこにあらわれたのは小路で見かけた重装部隊だった。二列縦隊でエリアに入ってきたが、足取りは重くとても疲弊していることがわかる。先頭にいた男が「休め」というと残りの十一人はその場に倒れるように座り込み、男はそれに眼もくれずヘルメットを外しながらキリトたちに近づく。
「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ」
≪軍≫というのは集団外部の者が揶揄的につけた呼称のはずだったが、いつのまにか正式名称になっていたらしい、と誰かが思っているとキリトがみんなを代表して「キリト。ソロだ」と短く対応する。そして、男は軽くうなずき、横柄な口調で訊いてきた。
「君らはもうこの先も攻略しているのか?」
「・・・ああ。ボス部屋の前まではマッピングしてある」
「うむ。ではそのマップデータを提供してもらいたい」
当然だ、というような表情の男に一同驚きを隠せなかった。しかし、キリトの後ろにいたクラインはそれどころではなかったらしい。
「な・・・て・・・提供しろだと!?手前ェ、マッピングする苦労がわかってんのか!?」
みんなの言いたいことをクラインが代弁する。それでもなお男は大声を張り上げた。
「我々は君ら一般プレイヤーの解放ために戦っている!諸君らが協力するのは当然の義務である!」
「ちょっと、あなたねえ・・・」
「て、てめぇなぁ・・・」
傲岸不遜な物言いに激発寸前の声を出すアスナとクライン。ルナやソレイユは大きくため息を吐きコーバッツに呆れている。しかし、それをキリトが制した。
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