アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第四話 迷宮区にて
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それを見たキリトとアスナは悲鳴を上げ回れ右をして走り去っていく。
「うわあああああ」
「きゃあああああ」
「おいおい、あわてすぎだろ・・・」
その状況に呆れ返っているソレイユ。次いで腕にしがみついているルナに向かって聞いた。
「で、お前はどうしたの?」
「あ・・・足がすくんじゃって・・・」
「おいおい」
今度は苦笑いをして困りはてる。ボスの部屋を見るとすぐそこまでボスが迫ってきている。ボス部屋から出ることはないだろうが、走り去っていったキリトとアスナを追わなければならないのである。
溜息を吐いて腕にしがみついているルナを抱き上げその場を去っていく。
◆
キリトとアスナは安全エリアに飛び込み、並んで壁際にへたり込む。そして、大きく一息ついてお互いの顔を見合わせ笑い出した。
「あはは、やー、逃げた逃げた!」
愉快そうに笑うアスナ。
「こんな一生懸命走ったのすっごい久しぶりだよ。まぁ、わたしよりキリト君のほうがすごかったけどね!」
「・・・・・・」
アスナの言葉に否定できないキリト。そこで気づいたことを口にした。
「・・・ところで、ソレイユとルナは?」
「あっ・・・・」
キリトの言葉でアスナも気が付いた。
「も、もしかしてボスに挑んでいたり、とか?」
「い、いや・・・。それはないと思うよ、ルナも一緒なんだし・・・多分、きっと・・・」
アスナの言葉に否定しようとするキリトだが、どこか弱弱しい。
「「・・・・・・」」
二人が形容しがたい雰囲気になっていると安全エリアに入ってくるプレイヤーがいた。しかし、キリトとアスナはそのプレイヤーに気づいていなかった。
「俺たちを置いていくなんてずいぶん薄情だな」
「「っ!!」」
いきなり言葉に二人が驚いて肩をすくませ、恐る恐る顔を上げるとそこには先ほど二人が考えていた人物が立っていた。
「で?言い訳があるなら聞くぞ?・・・聞くだけ、だがな」
「い・・・いや、ソレイユ。こ、これには深いわけが・・・」
「そ、そうなの。だ、だから決して忘れてたわけじゃ、な、ないのよ?」
「ふぅーん」
挙動不審で答えるキリトとアスナ。それでもソレイユは冷えた視線を投げつけるが一つ大きなため息を吐くと抱き上げていたルナを床に下した。二人はソレイユの気迫に押され今まで彼が抱えていた人物が見えていなかったらしく、床におろした時漸くその存在に気が付いた。そして、アスナが心配そうに話しかけた。
「る、ルナ、どうしたの!?」
「・・・ちょっと、足がすくんじゃってね」
恥ずかしそうに答えるルナ。それを聞いたアスナとキリトとソレイユは笑い出し、ルナは恥ずかしさで小さく
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