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日向の兎
1部
日向 ネジ2
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ているのだ。正直、大道芸人のよくやる鳩の手品か何かのように、読んでいる量と裾の膨らみがまるで釣り合っていない。
「当然だ。日向の蔵書を読み切るにはこれ位の速度でなければ不可能だったこともあり、この手の速読は慣れているのだよ。
本の内容に関しては大雑把に言うと経営学だ」
「経営学?会社でも作るの?」
「いや、ラビットカンパニーから働かないかという打診があってな。今のところ予定はないが、忍以外の生き方というものに興味が湧いたのだ」
「ふーん……まぁ、ヒジリなら何でもやりそうな気がするからそんなおかしな話でもないか。
けど、そうなったらネジはどうするの?」
言うまでもないだろう?
「縛り上げてでも私が連れて行く」
「……意外。ヒジリからネジにそういう強引な態度って初めて見るかも」
「ふん、ネジは私のものだからな」
ヒジリ様が不機嫌そうにそう言うとテンテンは一瞬きょとんとした表情を浮かべた後、突然腹を抱えれ笑い出した。俺は全く意味が理解できず首を傾げるばかりだが、ヒジリ様の機嫌が目に見えて悪くなった事だけは分かった。
「ヒジリ、それを私の前で言うんだ?いや、嬉しいけどその言い方は私じゃなきゃ絶対分からないよ?」
テンテンはひとしきり笑った後、俺に近寄って耳打ちした。
「ヒジリの道具を今度見てみるといいよ、ネジ」
「テンテン!!余計な事をいうな」
……ヒジリ様の道具?異常なまでに物持ちがいいということしか知らないが、何かあるんだろうか?



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