暁 〜小説投稿サイト〜
MA芸能事務所
偏に、彼に祝福を。
第二章
二話 小細工
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
。彼女の質問によってこの流れができた」
 今まで何も行動を起こさなかった彼女がここに来て? 彼に嘘の退職を演じるという汚れ役すら買って出て。
「何故、今になってちひろさんが……」
「理由はわかりません。ただ、私達に一つの目標ができました。彼のゲームに勝つことです」
 私はその言葉に強く頷いた。例え私達が彼の過去を知らなくとも、彼の最後の奉仕の邪魔をしても彼が私達の側にいるならば、私達は幸せなのだ。現に今まで彼にプロデュースされて幸せだったのだから。
 其処まで思って、私の背中を寒気が過ぎった。自身の思いを改めて考えた時に、私が酷く醜悪な生き物に思えて仕方なかった。
 違う、違う。それだけじゃないと自身に言い聞かせる。彼を幸せにしなければ、私達の目的は完遂されないのだから。
 私はクラリスさんを見つめながら、願った。聖書も読んだ事もない人間だけれど、人形ではなく人間として、強く、強く。
 偏に、彼に祝福を。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ