偏に、彼に祝福を。
第二章
二話 小細工
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。彼女の質問によってこの流れができた」
今まで何も行動を起こさなかった彼女がここに来て? 彼に嘘の退職を演じるという汚れ役すら買って出て。
「何故、今になってちひろさんが……」
「理由はわかりません。ただ、私達に一つの目標ができました。彼のゲームに勝つことです」
私はその言葉に強く頷いた。例え私達が彼の過去を知らなくとも、彼の最後の奉仕の邪魔をしても彼が私達の側にいるならば、私達は幸せなのだ。現に今まで彼にプロデュースされて幸せだったのだから。
其処まで思って、私の背中を寒気が過ぎった。自身の思いを改めて考えた時に、私が酷く醜悪な生き物に思えて仕方なかった。
違う、違う。それだけじゃないと自身に言い聞かせる。彼を幸せにしなければ、私達の目的は完遂されないのだから。
私はクラリスさんを見つめながら、願った。聖書も読んだ事もない人間だけれど、人形ではなく人間として、強く、強く。
偏に、彼に祝福を。
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