偏に、彼に祝福を。
第一章
四話 彼女たちの成功
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は一文字。kとだけだった。
ライブ終了後、私は三人を探していた。
「あ、プロデューサー!」
遠くで私を見つけた加蓮が手を振って来た。小走りで彼女たちに近づく。
「いやー、最後は吃驚しちゃったね。まさかお客さんが壇上に上がろうとするなんて」
「ライブお疲れ様。ハプニングもあったがお前たちが無事で何よりも良かった。対応も悪くなかったぞ。それより、そろそろ楽屋に戻ろう」
ライブの後ということもあり興奮気味の三人を落ち着かせる。三人は口々にお疲れ様と言うと、私の言うとおり楽屋へ移動し始めた。
ライブの終わり、アンコールに応えて出てきた三人に熱心なファンが一人、壇上に上がろうとしてきたのだ。だが大事には至らずそのファンは周りにいた人によって迅速に引きずり降ろされた。
三人の後ろで電話をかける。相手は五回のコールの後出た。
「これで終わりだ。よくやってくれた」
「カメラに俺、写ってたか?」
「少しはな。顔結構上手く隠してたじゃないか」
「煩い。まぁ謝礼は今度にしてくれ。それじゃ」
携帯をポケットに滑りこませると、目の前にいつの間にかこちらを待っていた渋谷がいた。
「友達?」
「友達ってほどもないな。知り合いだ」
ふーん、と。興味があるのかないのかいまいち掴みづらい返答。
「ねぇ、プロデューサー。最近泰葉と名前で呼び合ってるでしょ?」
嗚呼、興味があるないではなくて話のきっかけが欲しかったのか。
「ああ。なんでもそうして欲しいってことだったから」
「そう……私もさ、名前で呼んでいい? 泰葉から感謝してるからって話聞いたんだ。私もプロデューサーには感謝してるからさ」
一人を認めたならば、他を断るわけにもいかない、か。
「ああ、何とでも呼んでくれて構わないぞ。それよりほら、楽屋に戻ろう」
「はいはい。それじゃ私も名前で呼んでね?」
その後楽屋に戻った凛が私を名前で呼んですぐさま加蓮、奈緒がその事に気づき三人と名前で呼び合う仲となった。
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