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鎧虫戦記-バグレイダース-
第24話 マリーはmarryって意味で付けたわけじゃない
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「ほぅほぅ、そんなことがあったのか‥‥‥‥‥」

迅は目に涙を浮かべながらうなずいた。

「よかったなぁ。俺が″種″を落としたことが
 こんな出会いを作り出すなんて‥‥‥‥‥‥‥‥」

アスラとマリーとホークアイはそれを聞いて驚いた。

「″種″を‥‥‥‥‥落とした!?」
「あれ、言ってなかったっけ?」

迅は説明を始めた。

「俺が前にここに来たのは知ってるよな?
 その時に、どこかで″種″を落としてしまったらしく
 中国の面積は広大で探し出すことは不可能だったんだ」

雨はその続きを言い始めた。

「それを偶然にも食べてしまった私は″鎧人″になってしまったんです」

雨はそう言うと左目を“起動装置”状態にした。

「‥‥‥‥‥‥これのせいで私は一人ぼっちでした」

迅は深々と頭を下げて謝った。

「ごめんな、俺が落としちまったせいで‥‥‥‥‥‥」

雨は首を振り、笑顔になった。

「いいんです。むしろ、迅さんのおかげで豪さんに会えたんですから?」

 ギュッ

雨は豪に抱きついた。豪は急にされたので少し顔を赤くした。

「まぁ‥‥‥‥そういうことなら良かった」

迅は目の前の光景を見て、なんとも言えない表情になった。

「良かったね‥‥‥‥‥グスッ、雨ちゃん、豪さん」

マリーはすすり泣いていた。

「良い話だなぁ‥‥‥‥‥‥」

アスラとホークアイも話を聞いて泣いていた。

「あ、そろそろ戻らないと。リオが待ってるからな」

迅は思い出したようにそう言うと、立ち上がって3人についてくるように言った。

「じゃあ、こいつら連れていくからな。‥‥‥‥‥‥あとは2人で水入らずだ」

2人は迅の配慮に甘えることにした。

「頑張ってね、3人とも」
「何してんのかは知らねぇけどな」

3人と迅は手を振りながらドアを出て行った。


「‥‥‥‥‥‥お花の指輪‥‥‥‥私が作り方教えたんですよね?」

雨は豪に訊いた。豪はうなずいた。

「あぁ、雨が教えてくれたやり方で昨日作って来た」

雨は少し腑に落ちない顔をした。

「でも、花2本を無駄なく完璧に結んで作れてますね。
 この部分を作るのにちょっとコツがいるはずなのに‥‥‥‥‥‥」

豪は少しためてから理由を教えた。

「ずっと練習してたからな‥‥‥‥‥‥‥今日の為に」

雨はそれを聞いて豪に顔を向けた。豪は顔をそらしていた。

「‥‥‥‥‥‥‥‥でも勇気が出なかった」

豪は顔を窓の外に向けたままつぶやいた。

「いざって時にお前は強いよな、雨」

雨は顔を手で隠した。おそらく照れているのだろう。

「そ、そんなことは‥‥‥‥‥‥あるかも
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