偏に、彼に祝福を。
第一章
二話 スカウト
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屋に戻ろうとしたとき加蓮が出てきたので彼女に話を聞いた。
「どんな感じだった?」
「うーん、やっぱりアイドルって職業に憧れっていうか、まぁ近いものはあると思うよ。ただ彼女、あんまり体動かすの得意じゃないみたい。けど雰囲気や顔はいいね。十五とは思えないよ」
「十五? てっきり加蓮より年上かと思っていたよ」
「何それ、私にも彼女にも失礼だよ」
兎角ありがとうと加蓮に感謝し応接間に戻った。
「すいません、電話が長引きまして。それで、何かまだ質問等ありますか?」
京子が視線を数瞬みちるに向け、彼女がないですと応えるのを被せるようにみちるが口を開いた。
「最後に一点。これは嘘偽りなく答えてほしい質問です」
「どうぞ」
今まで嘘を応えた覚えはないが。
「私に何故声をかけたのですか?」
その言葉で心臓が強かに打ち鳴った。緊張する。ここからの一挙手一投足に彼女のスカウトの成功がかかっている。
「そうですね、佐藤さんを見たときに思ったんですよ。貴方はきっと、磨けば輝くと」
みちるはその応えに不服そうに、それだけ? と答えた。
「まぁそれだけじゃあ勿論ありませんでしたよ。どうせ無視させるだろうなぁとか、話しかけてもアイドルになんて興味ないだろうなぁとか、もし人前に立つとしても他の形があるのかなぁとか……そうですね、もっと単純に、あなたがアイドルとして舞台に立ったらきっと……」
綺麗だろうと、そう思ったのだ。
「人気者になるだろうと思って声をかけさせてもらったんです」
「つまり、その、何て言いましょうか……私は第一印象でいうならばアイドルとして問題ないと思ったのですか?」
力強く頷いた。
「その通りです。問題ない。いや、私の目から見るに素質はあると」
「そうですか……。話はこれくらいです」
その後、来てもらった礼を言って彼女達を玄関まで送った。みちる曰くもう暫く考えるそうだ。二人が帰った後、私は池谷と名乗った少女もスカウトしておけば良かったと思った。
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