暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
光輝への目覚め 
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にも、同様のものが現れた。

そしてユキはそれを放つ。光を纏った足が、茅場へと炸裂する。

「「オオオオオオオオオオオオッ!!!」」

二人の男の、誰かを守りたいと願う男達の叫びが響き、ヒースクリフ/茅場のHPを削りきった。

ゲームはクリアされました。その無機質な音声が全員へと響く。

ユキとキリト、アルゴとアスナ以外の全員消えた。




気が付けば四人の目の前は夕焼けだった。足元は結晶の板。そこに夕日が反射していた。

その向こうには、浮遊城アインクラッドが崩れ始めている。

「なかなかに絶景だな」

傍らからの声。4人が視線を向けると、白いシャツにネクタイを締めた、男が立っている。

茅場晶彦。

「あれは、どうなっているんだ?」

「比喩的表現と言う物さ」

「現在、SAOメインフレームの全記憶装置がデータの完全消去を行っている。あと・・・、10分ほどでこの世界は全て消えるだろう」

「あそこにいた人たちは・・・どうなったんダ?」

アルゴの呟きに、茅場が答える。

「心配には及ばない」

「先ほど、生き残った全プレイヤーのログアウトが完了した」

ほっとする4人。安心感が周囲を静寂へと導く。そこでキリトが口を開いた。

「何で・・・・こんなことをしたんだ・・・・?」

「何故だろうな・・・。」

「たぶん、あなたは欲していたんじゃありませんか?」

茅場の目がすうっと細くなる。

「未来に希望が持てる人達を」

「僕が見たあなたの記事にはこう書かれていた。日に日に増える子供の犯罪。世間に忍び寄る暗い影。
人は愛する、と言うことを忘れてしまっていると言っていた」

「そして、子供が憧れる空飛ぶ城、自身の夢とかけて、未来(これから)を変えることができる人を探していた」

違いませんか?とユキが聞いた。茅場は少し笑って、そうかもしれないな・・・と答えた。

「君は・・・・誰かを愛しているかい?」

茅場がユキに聞く。ユキは微笑んで答える。

「います。いつの間にか好きになってました」

ユキはアルゴの方を向いて言った。

「ねぇ、アルゴさん。好きですよ」

「ふぇっ」

とおかしな声が漏れ、キリトとアスナは顔を赤く。それを見た茅場が声を出して笑った。

その顔を見て、少し驚く。そして茅場は言った。

「言い忘れていたな・・・クリアおめでとう、ユキ君、キリト君」

「さて、私はそろそろ行くよ」

夕日が強くなると、茅場は消えていた。これからの未来を彼らに託して。

アインクラッドを見ると、もうほとんど崩れていた。それは、この世界にいるのがあと少しと言うことだ。

「さて・・・お別れだな」


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