陰に潜む“影”
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も含めて突っ込みどころ満載である。
「あの、先生?」
「あら〜どうしましたか〜?」
「その人って、会長の……」
「そうでしたかね〜? よく覚えていないから知りませ〜ん」
そっぽを向いて小憎らしい態度をとっているので、恐らく……いや絶対に知っている。知っている上でとぼけているのだ。
空気を読まないだけでも充分厄介だが、事なかれ主義も持ち合わせていると分かり、厄介さに拍車がかかる。
……空気を読まない筆頭としてあげるなら、未だ寝続けている瀧馬も相当なモノだが……。
「ななな……なんですかコレ!? こんな筈じゃあなかったのに、予定と違います!」
「む、君が転入生か。新しく来た者同士、これから宜しく」
うろたえ敵視するトゥアールの手を強引に取って、桜川教員は余裕の態度で握手をした。握手を終えてから一旦身なりを整えて、改めて自己紹介すべく生徒達の方を向く。
「皆もよく目にしていたから知ってはいると思うが、私は神堂慧理那様の護衛を任されたメイドだ。それが私の仕事なので仕方ないとはいったのだが、お嬢様がどうも私がじっとしている事を気にするので、理事長との相談の元非常勤で体育の講師を務める事となった。教員免許も持っている、安心してくれ」
ラフで動きやすい格好では無く、ある程度動きやすく改造されたメイド服姿の体育教師とはこれいかに。
如何やら世界はテイルレッドばかりでおかしくなっている訳ではない模様。
まあ体育教師として言うならば、護衛を任されているほどなので運動神経にはさして問題は無いだろう。……格好には問題大ありだが、理事長公認ならば諦めてスルーするしかない。
「フ……しかし中々に静かなものだな。普通、美人教師がやってきたのならば、あれこれと質問攻めにあうとばかり思っていたが……遠慮をしているのか? 大丈夫だ臆する事は無い、バンバン質問してくれ」
今の発言に二つ突っ込みを入れるなら、一つは自分で美人というなという事、二つめは予想外な出来事を連続で浴びせておいて無茶を言うなといったところだろうか。
そこで、蚊帳の外ににされかかっていたトゥアールが割り込んだ。
「後から来たのに何故に仕切るんですか!! まだ私のターンです! 私の戦場なんですよ!」
「そうカッカするな。別に焦らずとも生徒なのだから質問の機会はいくらでもあるだろう。だが私は教員、詳しい事を聞くチャンスは少ないのだぞ」
「関係ありません! それに私にとっても今日こそが唯一無二の戦いなんです!!」
「ほう、中々いい気概を持っているじゃあないか! なら公平に同時進行といこう! 私たち二人に質問のある者はいるか?」
普通なら盛り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ