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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
断章 アカシャ年代記《Akashick-record》
??.----・error:『Nyarlathotep』W
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 目の前には、極彩色のうねり。波模様ような、風模様のような。不揃いの玉虫色、しかし規則正しい、何処か人外の精神性を感じさせる異次元の色彩。
 時間の感覚も、空間の認識も、既に忘我の彼方。此処に来たのは一瞬前だったような、遥か過去だったような。何処から来たのか、何処に行くのか。何も分からない、分からない、何も。

 だが、分かる事もある。両腕にある温もりが二つ。意識を失っているフレンダと最愛の。僅かに狂気を和らげる、温かさ。そして……色彩の向こうから覗く陰湿で冷酷な光を湛えた、無数の眼、眼、また眼。
 それは此方を歓迎などしていない。寧ろ見下し嘲り、『活きの良い餌だ』とばかりに舌舐めずりしている。

『──────────────』

 代表するように現れた、一人。否、一体に周りの眼が一斉に(かしず)く。一人と感じたのは、それが覗き穴すらない朧気な色彩の織物を纏う人型をしており……一体と思い直したのは、それが全高百フィートもの巨躯であったからだ。
 二人が失神していて、本当に良かった。もしも事前知識なしにこんなモノを目の当たりにすれば、正気に堪えられるかどうか。

『わたしは きゅうきょくのもんの もんばん にして さいていしゃ! げーときーぱー うむる・あと・たうぃる だ────ざんねん! きみは しんでしまった! わたしの てちがい だ! だから すきな せかいに いきかえらせよう! とくてんも あたえよう!』
「……………………はぁ」

 巨人が、声ではない何かで問うた。しかし、意味が分からない。『窮極の門(ヨグ=ソトース)門番(ゲートキーパー)にして裁定者“ウムル=アト=タウィル”』、そこまでは脳味噌で理解出来たのだが。
 後に続いた問いは、この怪物の正体を知る────本能が、理解したらしい。

『────さあ えらべ! いまなら はーれむうはうは さすおに なかでき まちがいなし! おまえ さいきょう! むてき! だれからもすかれる! これで ぼっち そつぎょう!』
「……いや、別にいいわ。普通に、元の世界に還してくれ」

 差し出された腕。織物の袖は長く、手は見えないが……此方の、胸を指差している。『其処に、求めるものがある』と。
 それに理解が及ばず、脳味噌は頸を傾げる事を命じ……本能は畏怖に、頷く事を命じた。

『────おかしい  こういえば ばかな にんげんは いれぐい  ほかの どんなやつも なんかいも じぶんの みたい ゆめの なかに きえていった  きづきも しないで けんぞく たちの みせる ゆめに  もんのかみの とりせつに そう かいて あった』
「あっそう……まぁ、例外ッて事で」
『くやしい  おまえ ぜったいに ごちそうさま に する』
「女の子になら喜んでごちそ
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