第一部 学園都市篇
断章 アカシャ年代記《Akashick-record》
??.----・error:『Nyarlathotep』W
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
目の前には、極彩色のうねり。波模様ような、風模様のような。不揃いの玉虫色、しかし規則正しい、何処か人外の精神性を感じさせる異次元の色彩。
時間の感覚も、空間の認識も、既に忘我の彼方。此処に来たのは一瞬前だったような、遥か過去だったような。何処から来たのか、何処に行くのか。何も分からない、分からない、何も。
だが、分かる事もある。両腕にある温もりが二つ。意識を失っているフレンダと最愛の。僅かに狂気を和らげる、温かさ。そして……色彩の向こうから覗く陰湿で冷酷な光を湛えた、無数の眼、眼、また眼。
それは此方を歓迎などしていない。寧ろ見下し嘲り、『活きの良い餌だ』とばかりに舌舐めずりしている。
『──────────────』
代表するように現れた、一人。否、一体に周りの眼が一斉に傅く。一人と感じたのは、それが覗き穴すらない朧気な色彩の織物を纏う人型をしており……一体と思い直したのは、それが全高百フィートもの巨躯であったからだ。
二人が失神していて、本当に良かった。もしも事前知識なしにこんなモノを目の当たりにすれば、正気に堪えられるかどうか。
『わたしは きゅうきょくのもんの もんばん にして さいていしゃ! げーときーぱー うむる・あと・たうぃる だ────ざんねん! きみは しんでしまった! わたしの てちがい だ! だから すきな せかいに いきかえらせよう! とくてんも あたえよう!』
「……………………はぁ」
巨人が、声ではない何かで問うた。しかし、意味が分からない。『窮極の門の門番にして裁定者“ウムル=アト=タウィル”』、そこまでは脳味噌で理解出来たのだが。
後に続いた問いは、この怪物の正体を知る────本能が、理解したらしい。
『────さあ えらべ! いまなら はーれむうはうは さすおに なかでき まちがいなし! おまえ さいきょう! むてき! だれからもすかれる! これで ぼっち そつぎょう!』
「……いや、別にいいわ。普通に、元の世界に還してくれ」
差し出された腕。織物の袖は長く、手は見えないが……此方の、胸を指差している。『其処に、求めるものがある』と。
それに理解が及ばず、脳味噌は頸を傾げる事を命じ……本能は畏怖に、頷く事を命じた。
『────おかしい こういえば ばかな にんげんは いれぐい ほかの どんなやつも なんかいも じぶんの みたい ゆめの なかに きえていった きづきも しないで けんぞく たちの みせる ゆめに もんのかみの とりせつに そう かいて あった』
「あっそう……まぁ、例外ッて事で」
『くやしい おまえ ぜったいに ごちそうさま に する』
「女の子になら喜んでごちそ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ