プロローグ 姫君とナイトと和菓子屋さん(2)
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、その下に置かれたベンチに腰掛けている銀髪の女の子と、彼女に話し掛け続ける如何にも軽薄そうな男が見えた。
その様子は少し違和感があった。女の子からは一言も発せられず寧ろ男が一方的に話しかけているだけに見える。
ナンパか何かのつもりなのだろうか
「あんな調子でな、ずっと前からあそこで男にしゃべりかけられとるみたいでな。ワシが行くっちゅうのも角が立ちそうやからなぁ…」
女の子は男の方を向いていたけれどその目は男をとらえず、むしろ何か違うものを探しているように、求めているように思った。
違う、『何か』とかそんな不確かなものじゃない。
あたしは直感でそう悟った、あの子は助けが欲しいんじゃないだろうか。
「おじいちゃん、ちょっとこれ持っといて。」
「はいな」
おじいちゃんに買ったものをもう一度手渡し、あたしは彼女のところに駆けてゆく。
「やっぱり嬢ちゃんが行った方があんちゃんも言うこと聞くやろな。」
そうつぶやきながら、常連の背の高い少女が走っていくのを彼は少なくはない良心の呵責を胸の内に感じていた。
「迷惑料は先払いしたっちゅうことでええやろか…」
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