暁 〜小説投稿サイト〜
パズル&ドラゴンズ 〜Sundara Alab?l? L?'i?a P?n? lil? 〜
4話.減らず口と睡蓮 〜開花〜
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ムであればここで『CLEAR!』というキッチュなポップフォントが踊り、チュートリアルは終了するはずなのだ。
今までの流れから鑑みれば当然というべきか、男にそういった類のアナウンスがもたらされることはなかった。
しかし、今回はまるっきりノーヒントだったかと言えばそうでもなく、ブラックコドラが光と霧散した後、その背後に存在していた扉が軋むような音を立てて開いたのだった。
それまでのフロアでは、特に断りもなしに開きっぱなしだった次階への扉が、今回は敢えて目を引くかのように、誘うように開いた。
見るからに警戒心を誘発させるようなギミックだったが、他に手もないということで男はその扉をくぐり先に進み、現在に至る。
「チュートリアルが終わったということは、お楽しみの『ガチャ』タイムってことで…… 期待してもいいのか、これは?」
これもまた男の期待通りなら、このゲームにおける最上の楽しみといっても過言ではない、あるイベントがこの先には待ち受けている。
階段を一段踏みしめていくごとに刻々と強くなっていく外の匂いを感じながら、男は心なしか歩調を早めていた。ほどなくして、
「見えたぞ…! お天道様だ…!」
ついに見えた塔の終わり。
屋上への出口。四角く切り取られ差し込んでくる光。
逸る気持ちが更に男の足を急がせる。
男の歩調は、既に走っているも同然だった。
「うはは、ゴールだ……!」
勢いもそのままに、男は光に飛び込んでいった。
そこは、一つの『場』だった。
漂う空気は清浄にして静謐。そよ風の一つも吹かないほどの徹頭徹尾の静寂。
霊感など欠片もない、そういった事象に関しては全く鈍感であった男をして、ある種の『畏れ』を抱かせるに足る雰囲気が、そこにはあった。
山奥にひっそりと建つ、苔むし古びた神社がこんな感じだったっけか、と男は昔の記憶をちらと思い出す。
しかし、その静寂の水面下。
まるで途轍もなく大きな”ナニカ”が、生まれ出る時をじっと待ち、胎動するかのように脈打つこともまた、男は感じていた。
いつ噴火するか分からない休火山。
眠れる獅子を前にしたかのような得体の知れない緊張感を、男は心の中でそう定義づけ中空を見やる。
塔の屋上、その中心部の円型の床はどういう仕掛けか、5メートルほどの高さで虚(・)空(・)に(・)浮(・)遊(・)していた。
支えとなるような柱の類は見受けられず、階段がひとつ、浮遊する足場から男が立つ屋上へと伸びるだけであった。
神秘的な場の空気に拍車をかけるような眼前の光景に、男は怯みつつも一歩を踏み出した。
見た目危なっかしい浮遊階段は、意外にもと言うべきか足裏にしっかりと
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