第2部 風のアルビオン
第7章 亡国の王子
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さすがは僕の花嫁だ」
ウルキオラは憮然とした。
ルイズは複雑な表情を浮かべて、俯いた。
再び、扉が開く。
先ほどの痩せぎすの空賊だった。
「頭がお呼びだ」
狭い通路を通り、細い階段を上り、3人が連れて行かれた先は、立派な部屋だった。
後甲板の上に設けられたそこが、頭……、この空賊船の船長室であるらしい。
がちゃりと扉を開けると、豪華なディナーテーブルがあり、一番上座に先程の派手な格好の空賊が腰掛けていた。
大きな水晶のついた杖をいじっている。
どうやら、こんな格好なのにメイジらしかった。
頭の周りでは、ガラの悪い空賊たちが、ニヤニヤと笑って、入ってきたルイズたちを見つめている。
ここまでルイズを連れてきた痩せぎすの男が、後ろからルイズをつついた。
「おい、お前たち、頭の前だ。挨拶しろ」
しかし、ルイズはきっと頭をにらむばかり、頭はニヤリと笑った。
「気の強い女は好きだぜ。子供でもな。さてと、名乗りな」
「大使としての扱いを要求するわ」
ルイズは、頭のセリフを無視して、先程と同じセリフを繰り返した。
「そうじゃなかったら、一言だってあんた達になんか口を聞くもんですか」
しかし、頭はルイズの言葉を全く無視して、言った。
「王党派と言ったな?」
「ええ、言ったわ」
「なにしに行くんだ?あいつらは明日にでも消えちまうよ」
「あんたらに言うことじゃないわ」
頭は、歌うような楽しげな声で、ルイズに言った。
「貴族派につく気はないかね?あいつらは、メイジを欲しがっている。たんまり礼金も弾んでくれるだろうさ」
「死んでもイヤよ」
ウルキオラはルイズを見た。
ルイズの体が震えていることに気づいた。
怖いのだ。怖くても、ルイズは真っ直ぐに男を見つめている。
ウルキオラはルイズに召喚された時のことを思い出した。
あのときも、俺の霊圧に当てられ怯えていたな、と思った。
しかし、ルイズは下手に出ることはなかった。
ウルキオラは、そんなルイズと黒崎一護が同じように見えた。
心とやらの中に、何か大事なものを抱えて、それを打ち壊そうとするものと戦っている。
「もう一度言う。貴族派につく気はないかね?」
ルイズはきっと顔を上げた。
腕を腰に当て、胸を張った。
口を開こうとしたルイズより先に、ウルキオラが後を引き取った。
「つかないと言っている」
ウルキオラは、霊圧を少し解放しながら言った。
部屋は地震が発生したように震えた。
頭を含めた空賊やワルド、ルイズは驚き、恐怖した。
「き、貴様はなんだ!?」
頭は押しつぶされそう
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