第九話 大室中佐!格闘茶道!!その十
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「そこから己を磨くでごわす」
「では我々も」
「その様に」
源田とハルトマンも応えてだ、そのうえで。
日帝衆は今度は空軍衆の大室に全てを任せることになった。大室は大命を承ってから厳かな声で言うのだった。
彼は茶室において茶を淹れつつだ、声をかけてくれた源田とハルトマンに言った。
「わかりました、それでは」
「うむ、これよりだな」
「出陣してくれるな」
「既に果し合い状を発表している」
「それではだな」
「はい、今よりです」
まさにというのだ。
「出陣しそのうえで」
「ジャスティスカイザーをだな」
「成敗してくれるな」
「茶は人の心です」
空軍衆中佐のその軍服でだ、大室は瞑目する様に言うのだった。軍靴を脱いでおり座布団の上に正座したうえで。
「正しき心で行うものです」
「その通りだ、そして貴官はだ」
「日帝衆一の茶人だ」
「その茶人の心をだ」
「あの者達に見せてもらいたい」
「そして、ですね」
大室は二人に静かに述べていく。
「彼等を正した後は」
「そうだ、遂にだ」
「我等の悲願が達成される」
日帝衆は諦めることをしない、それが正義及び大義であるのなら。ただし誤ちだと思えば即座に正す。逆に言えば誤ちと思わなければ諦めないのだ。
「半島の再併合がだ」
「為されるのだ」
「台湾、南洋諸島以外の大日本帝国領土の復活」
北方領土と沖縄、尖閣、竹島、そして某半島である。
「台湾は台湾人のものとなり南洋諸島も無事独立しています」
「そうだ、ならばだ」
「既に他の領土問題は解決している」
「後はだ」
「あの半島だけだからな」
「我等の悲願はそれだけとなっています」
太平洋経済圏、あらゆる国家と民族が共存共栄しているそれが設立され動いている。そして国連の常任理事国になりだ。
国家としての目的もだ、いよいよそれだけとなっているのだ。
「全世界が熱狂的に支持してくれている政策でもありますし」
「必ず果たさせねばならない」
「それではな」
「我々はな」
「必ず悲願を達成するのだ」
「その通りです、全世界の声も受けています」
厄介者を引き取ってくれる人を批判する者はいない、ただし日帝衆の平均知能指数一八〇〇〇のそれでは気付かないことだ。天才でも気付くこととそうでないことがある。
「是非共」
「では貴官がだ」
「そのはじまりを告げるのだ」
「そうさせてもらいます、それでは」
こう答えてだ、大室は。
「粗茶ですが」
「うむ、では」
「有り難く」
二人に茶を差し出した、二人もその茶を飲む。二人共完璧と言っていいまでの茶道の動作だ。そこには深い教養と生き方が出ていた。無論淹れた大室にも。
その茶を飲んでからだ、二人は彼に言った。
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