第百八十五話
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第百八十五話 先生の食事
今田先生はこの日も今日子先生と共にいた、そうしてだった。
二人で昼食の後のデザートを楽しんでいた、今田先生が作ったチェリーのタルトとロイヤルミルクティーだ。
そのロイヤルミルクティーを飲みつつだ、今日子先生は今田先生に問うた。
「ねえ香ちゃん」
「どうしたの、今日子ちゃん」
「香ちゃんの作ったお菓子ってね」
そのスイーツのことだった、問うたことは。
「いつも甘いわよね」
「ええ、けれどね」
「けれどなのね」
「お砂糖とかはあまりね」
そうしたものはというのだ。
「あまり入れていないの」
「そうなの」
「あくまで素材のね」
「これだとさくらんぼの」
「そう、さくらんぼのね」
それ自体の、というのだ。
「甘さをね」
「使ったものなのね」
「そうなの」
こう今日子先生に話すのだった。
「その甘さを使ったのよ」
「そうしたのね」
「それでも甘いでしょ」
今田先生は今日子先生に笑顔で話した。
「それにね」
「紅茶にもなのね」
「お砂糖は入れないの」
こちらにもだというのだ。
「そうしてるの」
「そうなの」
「やっぱり甘いものは太るから」
「あと虫歯にも気をつけてるの」
それで、というのだ。
「だからいつもね」
「お砂糖は控えて」
「使ってはいるけれど」
それでもだというのだ。
「出来るだけ果物の甘さを使ってるの」
「果物自体に糖分が多いから」
「だからなの」
まさにその甘さを使ってなのだった。
「これでも充分甘いし」
「そうね、確かに」
「その甘さを使えれば」
「充分美味しいし」
「むしろ素材を生かした美味しさがあるじゃない」
「それを楽しんでるのね」
「そうなの」
こう話をしながらだ、二人でそのデザートを楽しむのだった。紅茶も・
第百八十五話 完
2014・11・14
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