暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0835話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 勢い込んで尋ねてくるのを遮るようにして言葉を紡ぐ。

「その為に色々と条件のすり合わせが必要になるのは理解して貰えると思う。こちらにとって利益の無い話であれば、その結論を覆すようなことにもなりかねない」
「……具体的には、どのような条件をお望みで?」

 一瞬の沈黙の後、そっと口を開いてくるアンディーに対し、恐らく最もこの世界の住人としては受け入れがたいだろう条件を口にする。

「まず、先程も言ったが俺達シャドウミラーの国是として未知の技術の収集というものがある。だがこのマブラヴ世界の場合は、残念ながら技術的に見るべきものは殆どない。それは理解して貰えるな?」

 その問いに、アンディーは無言で頷く。
 一国の首相として、技術的、文化的な後進国と言われたにも等しいのだが、それでも言い返してくるようなところがない辺り、さすがと言うべきだろう。その後ろに立っているミエドは一瞬だが、確かに頬をピクリと動かしたのだから。

「それをそちらの軍部にも話したんだが、その時に提示されたのがG元素だ。だが、このG元素は基本的にフェイズ4以降のハイヴにしか存在していない。そして、こう表現するのもなんだが、そのハイヴの所有権はその国にある訳だ。つまり、俺達がG元素を欲しいからといって、勝手に攻略する事が出来ない訳だ。そもそも、オーストラリアの国土にはハイヴが無いしな。だが……」

 まぁ、最悪ASRSとかミラージュコロイドを使って秘密裏にハイヴ攻略をやるというのも可能かもしれないが、それは本当に他に手段が無い場合だ。
 わざわざ国交を開こうとしている世界の国との関係をこっちから望んで悪くしたいとは思わないし、何より他にG元素を得る手段があるのだから。
 そこまで告げた時点で、半ば俺の言葉を予想出来たのだろう。アンディーの目が大きく見開かれる。
 だが、それに構わず、決定的な言葉を口に出す。

「G元素を満載……かどうかまでは分からないが、ある程度は持ったまま地球に向かって撃ち出されているBETAの着陸ユニット。これの迎撃はSHADOWと呼ばれている迎撃システムを使って国連がやっているようだが、こちらでも参加できるように取り計らって欲しい」
「そっ、それは……」

 さすがに即答出来ないのか、言葉に詰まる。
 ここまではやり手の政治家らしい態度だったが、今の要請については色々と厳しいらしい。
 それでもすぐに言葉を続けられる辺りはさすがと言うべきだろう。

「……そう言われても、事は我が国だけでは判断出来ません。すぐには……」
「分かっている。勿論そちらにそれなりのリスクを冒させる以上、相応のリターンを用意するつもりだ。それらを考えた上で結論を出して貰えばいい」
「リターン、ですか?」
「そうだ。まずこの世界では食糧が絶
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ