瀧馬等の休日
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「ルァッ!! ……アレ?」
「フ、残像だ」
グラトニーが思いっきり殴りかかるが、殴られたクラブギルディが霞んだかと思うと、次の瞬間にはグラトニーの背後に居た。
それなりに驚いたかグラトニーは軽く目を見開いている。
「うむ、異形的な外見だが、なかなかどうして、いい項を持っているで―――」
「ハァッ!!」
「残像だ……いい項を持っ―――」
「ルアッ!!!」
「残像だ……いいう―――」
「オオオッ!!」
「残像だっ! というか後生だから最後まで言わせて」
「デアッ!!」
「ぐほぉおおおぉ!!!」
クラブギルディが中々最後まで言い切れないジレンマに陥ったのと、グラトニーが今までは態と拳で殴りかかり隙を窺って時が来るとともに加速された右足をぶち込んだのは同時だった。
項を見せたまま蹴り飛ばす。この判断だけはクラブギルディも予想だにしなかったのであろうか。
「……も一発……!!」
「侮れぬ娘よグラトニー……ぬおおっ!? だ、だが対策はとれる!」
「ヤッ!」
「残像だ……ぬぐっ!」
無防備に腹を晒していた今までとは違い、クラブギルディは挟みを目の前でクロスした。言わずもがな、防御の体勢だ。
蟹の口角の頑丈さと体格差を持って、クラブギルディは見事にグラトニーに一撃を受け止め――――
「む、だああっ!!」
「え、ちょまぬぐおおおぉぉーっ!?」
拮抗もせず両方のハサミをぶち折られて派手に蹴り飛ばされ、壁へ向けて吹き飛んでいった。
防御という判断自体は悪くなかったが、如何せん実力差を計算に入れていなかったようだ。
「ぐほ……こ、ここまで実力差が……何という雄々し――――」
「フン!!」
「おっと、残ぞ」
「……こっちもね」
「へ? あ、ぬげぇえっ!!?」
クラブギルディの話を強引に遮る形でグラトニーは突貫し、彼の速度をも上回って背に回ると新たに生成された一本を含めた六本指を深く突きさし、タイガギルディの時よりも軽々と持ち上げた。
「コォォォォォ……」
「う、項が……格好では項が……」
「握風科斗!!」
「項が見―――――」
結局最後の最後まで全て言い切る事が出来ずに、クラブギルディは木端微塵に破裂した。
「……あ、あっという間に……相変わらず強過ぎんだろ……」
「あ、終わった? そんじゃ帰りましょうか」
「慣れ過ぎだろこの状況に!? もっと何かこう言う事は無いのかよ!?」
いまいち納得がいかないらしいテイルレッドの質問に対し、テイルブルー
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