第21話 川神姉妹堕つ(メンタル面が)
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な地味で落胆しているって事か」
「落胆など微塵もない。ただ、予想外だったと言うだけさ」
士郎からの視点では、京極の今の言葉には嘘偽りは一切なかった。
「何なら一つ摘まんでみるか?」
この士郎の提案に京極は、断ろうとしたが気まぐれに「では、失礼して」と士郎の弁当箱から磯部揚げを一つ拝借して、口に放り込んだ。
「――――こ、これは!?この磯部揚げは素晴らしいな!ふんわりとした食感が癖になりそうだ!!」
京極はあまりの感動ぶりに、普段の冷静過ぎる表情とは真逆の満面の笑みを浮かべながら、咀嚼していた。
「ほぉ、藤村殿の具はそれほどの一品でござるか?」
先程の京極の絶賛ぶりを、横目で見ていたクラスメイトの1人。後藤劾以。
「うむ、これほどの磯部揚げを食べたのは初めてだ」
「興味が有るなら劾以も一つ、取ってくれていいぞ?ちょっと理由があって、見た通り沢山あるからな」
「そ、それでは、遠慮なく・・・」
後藤が取ったのは、3枚ある鰆の塩焼きの一枚だった。そして、自身の白米の上に載せてから一部を口に放り込む。
「・・・・!こ、この鰆!?身が引き締まっている上、丁度いい焼き加減でござる!しかも、僅かな塩の濃さが鰆のさっぱりとした旨みをより引き立てている!!素晴らしいの一言でござるな!」
後藤の最後の言に、一言以上言ったろっと誰かが心の中でツッコみを入れた。
それはさておき、2人の絶賛する感想により、周りの良いトコの生徒達も流石に興味を覚えていた。
「これほどの味を出せるとは・・さぞかし藤村組の料理人は腕が高いのだな!」
あまりの美味しさに、更に絶賛する京極。
だが・・。
「違うぞ?これを作ったのは俺の婚約者だぞ?」
「ほぉ??」 「「「「「な!?」」」」」
あれほどの品を調理したのが、専属の料理人ではなく自分の婚約者だという言葉に、興味を覚えた京極彦一。
そんな京極とは別に、周りの生徒は驚いていた。
そして、女子生徒達は「そりゃ、やっぱりいるわよね〜」と言う諦めや悲嘆の声と「な、なんですって〜」と言うまだ見ぬ士郎の婚約者に対する嫉妬と、逆恨みにもならない憤怒だった。
続いて、男子生徒(魍魎組)は「あんなカッコイイ癖に既に彼女―――婚約者持ちだとぉおお!?」と此方もまた逆上していた。
それはともかく。
「これほどの調理の腕を持つ婚約者がいたとすれば、士郎もさぞ鼻が高いのだろうな?」
「まぁ、それはそうだけど。これでも俺はアイツの料理の師でもある。まだまだ弟子に後れを取るつもりは無いぞ?」
「何!?」「なんと!?」
近くに居た京極と後藤は、驚きを隠せずにいた。先ほど食べた品々は、プロ中のプ
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