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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
45.無力対神意
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中に熱風が襲いかかってくる。熱さと痛みが同時に痛覚を強烈に刺激する。
瓦礫が幾つも降り注いでくる。
「……だ、大丈夫……か?」
彩斗の下にいる少女は、見た限りでは傷は負っていないようだ。安堵感からか力が抜けて倒れそうになる。それをギリギリで耐え少女の横に座り込む。
「それはこっちのセリフだよ!?」
少女は起き上がり、彩斗の元まで駆け寄ってくる。
「まぁ……なんとなくは、大丈夫だ。イテッ!」
少し動くだけで痛覚を激しく刺激する。
「背中怪我したの!? ちょっと見せて」
とても慌てている少女は彩斗の背中まで回り込んだ。このくらいなんともない、と強がりたいところだったが今回はそうもいっていられない。
「ごめんなさい……ボクのせいでこんな……」
「あんたのせいじゃない。俺が勝手に動いたのが悪いんだ」
痛みに堪えながらも笑みを浮かべる。いつも以上に不器用な笑みであったであろう。
「……ふぅー……よしっ!」
一度深く息を吸い込んでから気合を入れ直して立ち上がった。痛みが走るのを歯を食いしばって無理やり押さえ込んだ。そして先ほどの爆風で倒壊仕掛けている建物の壁に手をつきながら再び柚木の元へと向かおうとする。
だが、彩斗の身体は意思に反して言うことを聞かずに膝をついて崩れる。
「その怪我で動くのは無理だよ! ボクが支えるから安全なところに行くよ」
少女は彩斗の横まで駆け寄ってきた。そして華奢な身体がボロボロの彩斗を支える。彼女が安全な場所へと向かおうとするのを残っているわずかな力で踏ん張って抵抗する。
「いや、行かなきゃいけないんだ。あいつの元へ……行かねぇとダメなんだ」
「なんでそこまでしてあの場所に行こうとするの?」
静かな声で少女は訊いてくる。たしかにその通りかもしれない。彩斗がここまでの傷を負っても向かう意味などどれだけ思案しても本人すらわかっていない。それでも向かわなければならないのだった。
「俺もわかんねぇよ。それでも大切な友達が危険な目にあってるんだ。助けに行くのが当然だろ」
少女は表情を曇らせた。そしてトーンを少しだけ落として真実かもしれない言葉を呟く。
「…………その友達が人間じゃなくても」
そうだ。多分、柚木は人ではない。人の形をした人ならざる者だ。
「それがどうしたんだ?」
彩斗はきっぱりと言い放った。
───そうだよ。それがどうしたんだ?
「人間だから助けるとか、化け物だから助けないとかじゃねぇんだよ」
不敵な笑みを浮かべ、彩斗は言葉を吐いた。
「それに誰かを助けるのに理由なんていらねぇだろ」
柚木の正体がなんであれそれは本人に直接聞けばわ
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