最後の希望・「超覚醒」。
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レミリア・スカーレット。紅魔館の主にして、東方紅魔郷の6面ボス。運命を操る程度の能力を持つ吸血鬼。そのマガイモノが、今まさに暗基達の前に立っていた。暗記を含む、全員でレミリアを睨み付けると、レミリアは悲しそうな顔をした。しかしすぐにそれもまたひとつの楽しみ、といいたそうな顔をして言った。
「あら、私はあまり歓迎されていないようね」
「そりゃあそうだろうな。お前もマガイモノだろう? お前が発している霊力のせいで、お前がそこにいるってだけでおれは吐き気がしそうだよ」
「ふん、誰の前であろうと、それは失礼じゃないのかしら? よりによって、吸血鬼であるこの私に向かってそんな口が訊けるなんて、いい根性してるじゃない?」
レミリアが言う。すると、1人、ブチギレた者がいた。
「……、貴様が吸血鬼を語るな!!!」
咲夜が、怒りを込めて叫んだ。更に咲夜は続ける。
「吸血鬼という種族は、レミリアお嬢様やフランドールお嬢様のように、高貴なる御方の事を言うのよ!! 貴様のような、嘘偽りの塊でしかない屑が、吸血鬼を名乗るな!!」
咲夜は、眼に涙を溜めながら叫び、ナイフを構えた。暗基はそれを見て、十六夜咲夜という人間は、本当にレミリア・スカーレットと、フランドール・スカーレットの従者なのだと、心に響いてきた。それに続いて、
「私が主と認めているのは、貴女ではありません! レミリアお嬢様です!」
「まぁ、あなたは私の友ではないわね」
「お姉様を返せ!!」
「わ……、私だって!」
紅魔館の他の住人も、声を張り上げ、戦う構えをとる。それに対してレミリアは、それさえも楽しむかのような顔をして、
「くっ、ふふふふふふ……。よいよい。それでこそ紅魔館の住人だ」
そう言うレミリアの顔は、妖艶というのが正しいのだろうか。不気味で、それでいて美しさを兼ね備えた、見る者を魅了しそうな、そんな顔をしていた。そして少し浮かび上がると、右手に巨大なエネルギーの槍を出現させた。おそらく、神槍『スピア・ザ・グングニル』だろう。そしてレミリアは言う。
「さぁ、私に対してそこまで言ったのだ。私を楽しませてくれよ?」
その言葉とともに、レミリアは右手の得物をこちらに放った。その速さは異常だった。
「うおっ!!?」
「くっ!?」
咲夜は時間を止めて、暗基は咲夜の能力に便乗して回避することができた。だが、他の、美鈴、小悪魔、パチュリー、フランは、
「ふ、不覚……」
「う……」
「ゆ、油断、したわ……」
「な、なんなの……?」
グングニルが当たってしまっていた。
ダメージ自体はさほど食らっていないように見えたが、
「だめ……! もう……!」
「勝てない……」
「もう、だめだわ……」
「敵わないよ…
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