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鎧虫戦記-バグレイダース-
第23話 世の中大事なのはタイミング
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アスラがそう言ったのを聞いて雨は笑顔になった。

「良かった‥‥‥‥‥私のせいでひどくなってたらどうしようかと‥‥‥‥‥‥」

目の前で雨の笑顔を見てアスラは瞬時に思った。

『これが‥‥‥‥‥‥大人の女の人の笑顔か』

マリーの純粋な笑顔とも違う、照れのようなものが混ざった
雨の笑顔をまじまじと見たのは初めてだったアスラは少し顔を赤くした。

「どうしたんですか?」

雨はアスラが顔を赤くしたのを見て、訊いてきた。

「‥‥‥‥いや‥‥‥‥大人の人の笑顔って綺麗だなって思って‥‥‥‥‥‥‥」

アスラは照れ隠しをしながらつぶやいた。

「そ‥‥‥‥そんなことないと思いますけど‥‥‥‥‥‥‥」

雨も顔を赤くして照れた。

「アスラ、人の嫁さんパクんなよww」

ホークアイはニヤケながら言った。

「ま、まだお嫁さんなんかじゃありませんよ!!」

雨は顔を真っ赤にして反対した。

「でも、いつかそうなるだろww」

ホークアイはディーンみたいな口調でこの状況を楽しんでいた。

「アスラのお嫁さんは私がなるのーーーーーーーーーーッ!!」

マリーはアスラに抱きついて大声で叫んだ。

「え、いや、別にアスラさんを盗ろうとしたわけじゃ‥‥‥‥‥」

雨は必死にマリーに弁解した。

「ちょっ、マリちゃん、折れる折れる折れる‥‥‥‥‥」

アスラは苦しそうな顔で言い続けた。
しかし、マリーには聞こえていないようだ。
病室内はどんどん騒がしくなっていった。


「みんな、落ち着け」

豪がそうつぶやいた瞬間、全員の声がピタリと止んだ。

「静かにしてろ。お前らが見たがってたモンを見せてやるから」

豪はそう言うと、ポケットから小さな箱を取り出した。

「‥‥‥‥‥‥‥‥雨」
「‥‥‥‥‥‥‥はい」

雨は名前を呼ばれて返事をした。

「俺がここでみんなと話していられるのも
 お前が全力で俺を助けてくれたからだ‥‥‥‥‥‥‥」

豪は少し顔をそらして箱を雨の前に出した。

「結婚してくれ。そして、俺をこれからも支えてくれないか」

豪はプロポーズを言い終えると同時に箱を開いた。
雨はその中の物を見て、涙を流しながら返事をした。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はい」

そう言うと雨は笑ったまま泣き始めた。

「オイオイ、泣くんじゃねぇよ‥‥‥‥‥」
「だって‥‥‥‥‥嬉しかったから‥‥‥‥‥‥」

雨は豪が渡した箱の中から花で出来た指輪を取り出した。

「小さい頃、これでプロポーズしてって言ったのまだ覚えてたんだ‥‥‥‥‥‥」
「忘れるわけねぇだろ‥‥‥‥‥‥‥‥約束だからな」


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