第3ヶ条
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返すんだ。返事だ、返事。
…ていうかオサキって渋いな。女子高生が好き好んで聞く歌手ではないような気がするけど、美山さんならなんか妙に納得してしまう。
「オサキ格好いいよな。俺も好きだよ。」
俺がそう言うと、美山さんの表情が一層光り輝いた。
「伊笠君もそう思う?あのかすれたような、でも甘い声が凄い格好いいと思うの。」
オサキの良さについて話し出す美山さん。そして、最後に言った言葉が俺の心を貫いた。
「好きな人と好きなものが一緒って嬉しい。」
その表情に、その台詞は反則ですよ美山さん。今、確実に俺の心が躍り出した。このまま、叫びながら駆け出したいくらい嬉しいぞ。
「じゃあ、伊笠君の好きなものって何?」
「俺か。そーだなあ。俺は野球見たりするの好きかな。実際にやるのは駄目だけどね。」
俺の返事に美山さんの表情がほころんだ。
「私も野球好きだよ。テレビで見たり、たまに球場に行ったり。」
女子高校生で野球好きって珍しいかも?っていうか球場にまで足を運ぶなんて結構、本格的に好きなんじゃ。でも、自分が好きなものを理解してもらえるって嬉しい。
「球場まで行くって凄いな。どこか好きなチームとかあるの?」
「好きなチームというか、好きな選手がいるの。タカタ選手なんだけど。」
タカタ選手って堅実な守備と徹底したチームプレイが売りのいぶし銀の選手じゃないか。エースや4番とかじゃなくて、渋い選手が好きってやはり美山さんは並みの高校生じゃないぜ。
その日の帰り道はオサキと野球の話で盛り上がった。
この日、美山さんについて初めて知ったことが2つある。1つ目は、俺と美山さんは趣味が結構あっているといこと。そして、2つ目は美山さんは可愛いものとかより渋くて格好いいものに魅かれること。
…俺もダンディな男を目指すしかない。そう思い、美山さんと別れた後、俺はサングラスを人生で初めて購入した。
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