第十話***それぞれの動き
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X791年 フィオーレ地方 ???
石造りの建物が多く立ち並ぶ中、二人の青年が立っていた。
金髪で、右の眉に傷がある青年は、座り。
黒髪で、黒のマントを纏う青年は、立ち。
別々の方を向いて
金髪の青年が話題を提示する。
「帰ってきたんだって」
黒髪の青年が金髪の青年と背中合わせのままに、尋ねた。
「何の話だ」
金髪の青年がニヤッと笑う。
「7年前に失踪した妖精の尻尾の主要メンバー」
黒髪の青年が冷たく、短く答える。
「興味ないな」
金髪の青年が、黒髪の青年の方に、首だけ振り向き。
「ウソをつくなよ、ローグ。あれほど憧れたナツさんだぜ」
ローグと呼ばれた黒髪の青年は、金髪の青年を振り向かず、答える。
「昔の話だ」
フィオーレ地方 魔法評議院ERA
「オーグ老師、議会、お疲れ様でした」
オーグ老師と呼ばれた、禿頭、隻眼、杖をついた老人が、目の前の評議員に答える。
「うむ」
「ギルド間通商条約改正案は議決されましたか?」
「いや……それは時間がかかる」
そして、オーグ老師は話題を変える。
「それより、お前達も既に聞いておろうな」
オーグ老師と話していたのは三人。
黒長髪を纏め、眼鏡を掛けた男性。
黒短髪で、短い顎髭を蓄え、頬に目立つ傷のある男性。
そして、金短髪で、少しだけ伸ばした一房に緑の珠飾りを付けた少年だった。
全員、魔法評議員の制服を着込んでいる。
金短髪の少年ーーーーセブンが答える。
「妖精の尻尾の主要メンバーが帰還した話ですよね?」
黒短髪のドランバルトに、黒長髪のラハールが笑いかける。
「胸のつかえが一つとれたな、ドランバルト」
「オレは…」
オーグ老師は呟く。
「魔法界もまた騒がしくなるかもしれんな」
そして、外をちらと見た。
「アクノロギアとゼレフが目撃されて7年か……」
ラハールが慌てて、
「すみません……まだ…どちらも居場所がつかめてません」
と謝罪する。
オーグ老師は、外を眺め、呟く。
「観測部隊を増員すべきかな、この7年は静かすぎた。
剣咬の虎の躍進には目を見張るが……冥府の門は目立った動きをせず、悪魔の心臓の残党も同様。ゼレフやアクノロギアの情報も無し」
目を閉じ、一息つく。
「しかし、静か故に不気味……まるで終わらぬ夜の如き。
そろそろ夜が明けるか、魔法界の大いなる日の出となるか」
ずっとうつ向いていたドランバルトがオーグ老師を見る。
「そのきっかけが妖精(フ
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