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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十三話 一斉蜂起
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 腕から離したエリーゼは、大人びた笑顔を浮かべていた。ああ、やはり君は笑っているほうが似合うよ。

 さて。ローエンの所に行くであろうエリーゼを見送って。
 エリーゼを泣かせた悪い巫子どのには少々灸をすえてやろうか。


 歩いていく。イバルがいたのはワイバーンの下だったから分かりやすかった。

「イバル。エリーゼのことだが」
「……告げ口したのか、ルタスの奴」

 告げ口か。ふむ。言われてみればそういうことになるな。

「まさかそれが理由でふて腐れているのか?」
「誰がふて腐れているか!」

 鏡を目の前に持ってきてやりたい。

「言っておくが俺からは絶・対! 謝らんからな! 俺は本当のことを言っただけだ。それをルタスが勝手に意地悪だと取ったんだ。つまり俺は悪くない!」
「前にも言ったはずだが? 正しければ何を言っても許されるわけではないと」
「ぐ」

 そこで詰まる程度には良識はあるわけだ。

「まあ確かに、エリーゼも前の暴言について君に謝っていない。ここで喧嘩両成敗とはいかないかね? イバル君。別にベタベタに仲良くなれと言ってるんじゃない。いつも通りのイバルでいいんだ」
「いつも通りの、俺……」

 灸をすえるつもりが、つい励ましてしまった。せっかくだからこれでイバルとエリーゼの仲が縮まれば、共鳴奥義に幅が出てより戦いやすくなるんだが。

「――――」
「――――」
「――そういえば、だが」
「ん?」
「このワイバーンたちが言っていた。自分たちを使う頻度はメイスという兵士が一番多かったと。行く先はいつも『ワタシのホーム』『ジルニトラ』としか言わなかったらしいが。行く道は覚えていると」

 ホーム、ジルニトラ……白い一兵卒の鎧を着込んでいた少女が、頻繁にワイバーンを使ってまで出入りしていた場所。

 まさか、アルクノアの本拠地!?


「お待たせしました。ヴィクトルさん?」
「いや、何でもない」

 ローエン、クレイン、それにエリーゼとフェイリオ。ふむ、これでメンバーは全員揃ったな。

 思案は後回しだ。今はこれから起こす革命に乗じてミラを救い出すことだけに専念しなければ。

「こちらの手勢はファイザバード沼野に大きく割きました。おそらくア・ジュール軍は量産型増霊極(ブースター)を使って、沼野の環境を適応させながら進撃するものと思われますので。アルヴィンさんの情報に救われましたな」

 エリーゼがむくれてイバルを見上げた。イバルは腕組みして「俺は知らん」態勢。やれやれ。

「我々はワイバーンで首都イル・ファンに先行しましょう。ファイザバードとガンダラ要塞にあちらが兵を割いた今、王都の守りは手薄のはずです」



 イル・ファンまでの組み合
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