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読心魔道士の日々
2話 ギルドは平常運転
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たが、私には関係ありません。総長(マスター)の堪忍袋が切れて、暴れていた連中が説教を受けているだけでしょうから。

 さて、今日は読書仲間もチームのメンバーと話しているようで、とても声を掛ける、もしくは掛けられる雰囲気ではありませんでしたし、今読んでいる本も、まだ読み終わりそうにもありませんし、少し早いですが帰るとしましょう。遠くへの非難という立派な理由もありますしね。

そう思い、歩みを進めていると――おや?




 突然ですが、魔導士になくてはならないものとはなんでしょう。とはいえ、答えは分かりきったもので、"魔法"なのですが。魔導士ギルドに所属していることは魔法を行使することが出来るという訳でして、例えば、ナツ・ドラグニルは炎を纏い竜を滅する、炎の滅流魔法を使います。

 勿論、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に属している私は魔法を使えます。

――"読心魔法"

 私の2つの目に映した、知能ある生命体の心を読み取ることの出来るという、効果は中々分かりやすい魔法です。私が産まれたときには既に使え、この世に生を受けて11年、何故か常に展開されています。幸い、この魔法の消費魔力は非常に少なく、時間によって自然に回復する量の方が勝っているため、魔力の枯渇などといった問題は起きていませんが、本当に何故でしょうね? 

 と、まぁ、そんなことは置いておくとして、この魔法は特に意識をしていなくとも目で見た相手の心を読み取るため、ふと、何気なく適当に目をやった場所にいる相手の心も勿論、読み取っています。

 私が今、目にやったのはギルドのメンバーであるマカオ・コンボルトという男性の家です。とはいえ、家主は不在で、家の前には何かを待っているような少年、マカオさんの息子であるロメオ・コンボルトが佇んでいます。まぁ、ロメオ君が待っている何かはマカオ・コンボルトその人なのですが。

 マカオさんは、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士を馬鹿にされて悔しい思いをしたらしい息子に、すっごい仕事をしてきてほしいと頼まれたからという理由で、一週間前、本当にでっかい仕事を引き受けました。

 ハコペ山という山に生息するゴリラ型の凶悪モンスター、バルカンを20匹討伐する依頼です。バルカンは人語を解す程の頭脳を持っているうえに、人を大きく上回る体格と身体能力を持ち合わせ、おまけに、体を乗っ取る魔法を使うことができます。それを20匹だなんて、妖精の尻尾(フェアリーテイル)内では中位の実力とはいえ、マカオさんでは厳しいでしょうし、随分と無茶な依頼を受けたものだと思っていました。

 本人は3日で戻る予定だったようですが、まだ帰ってきていないことを見るとバルカンに接収されたか、倒されたのでしょう。ギルドの人員が1人減ったくらいにしか考えてい
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