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Angel Beats! the after story
『決戦』と書き『覗き』と読む
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んのか?勉強すればするほど馬鹿になっていくんじゃないだろうな。

「道具はどうするんだ?」

覗くぐらいの穴となると目ぐらいの大きさが必要だし、それを四人分だからな。

「こんなこともあろうかと。(きり)を人数分持ってきました」

タオルで隠している下半身に手を入れ、手から錐が出てきた。
その、タオルの下がどうなっているか知りたい。

「さすがTKだぜ!日曜大工が似合わないランキング一位なだけあるぜ!」

日向。それは褒めてんの?それとも貶してんの?

「だけどさ。穴を開けたら俺ら、器物損壊で捕まるぞ。穴一つだけ造ったとしても、旅館の人にバレるだろうしな」

「あうち。そこまで考えてませんでした」

覗くのに夢中になるのはいいが、こういう大事な所は冷静にいかないと失敗するからな。

背中が洗われ過ぎて、ヒリヒリしてきた頃。背中の泡を桶のお湯で流す。ちょっとお茶目な俺は、日向の背中を冷水で流した。

「冷水って馬鹿だろお前!冷てぇよ!」

悪い悪い、と日向をあやしつつ。湯に浸かる。

「マジでどうするんだ?そろっと来るぞ」

昨日と同じ時間帯で入るのなら、そろそろのはず。
そう言ってる間にキャキャウフフと女性陣が入って来た。

「クソ!何か何かないのか!」

「俺はなんて無力なんだ……」

「Oh……」

竹の柵に密着しながら絶望する俺ら。
考えろ考えるんだ俺!

「「「「………………………」」」」

結果のぼせてしまった。

俺らの戦いは人の夢と書いて儚く、桜の花弁のように散っていった。





夕食を取った記憶が曖昧だ。部屋に戻ったが、皆沈黙を守り続けている。

「ハハッ。嫌になっちまうぜまったく」

気力のない笑い声が沈黙を破る。日向の気持ちは痛いほど分かる。でも、それを治すことはもうできない。

「すまない。俺が、俺がもっとしていれば………」

これ以上言葉を続けたら涙が出ちまう。まったく、情けない話だ。

「お前のせいじゃねぇよ。俺らの力が足りなかったんだ」

「ハルバードさえあれば、あんな柵紙切れのように切り倒せるのにな」

野田それは……outだ……。

「錐ではなく、チェンソーとかを持ってくればこんなことには……」

TK……それも……outだ………。
元からなのか判断できないが、全員精神が病んでいる。

「でもさ、俺はこのメンバーでいけるって思えたんだよな。笑えるよな、一番やらなそうな俺がこんなに必死に女風呂を覗こうと試行錯誤してたんだからさ。笑ってもいいんだぜ」

盛大に笑おうとしたが、出てくるのは乾いた笑いだけだった。
不意に、右頬に衝撃が襲い吹き飛ぶ。

「音無!お前
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