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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第5話 賑やかな晩ご飯、そして舞い降りる死神
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ようとした。
「?―ッ!?」
レヴァンティンが鞘から抜かれるよりも早く、正確には柄が鞘から離れるよりも早くその手首を見知らぬ色のバインドが拘束する。
その色をシグナムが知らないのも無理はない。なぜならそれは、六課メンバーの中で唯一彼女が戦う姿を見たことのないメンバーのもの。
そう。他でもない今シグナムが救おうとした、ラディオン・メイフィルスその人のもの。
「――料理は最後の一口がおいしいと言う人がいますけど、自分はそうは思わないんです」
シグナムへと向けていた手を降ろしながら、ラディは厳かに言う。
こちらへと向けるその瞳は、まるで凪いだ大海のような静かさに満ちていながら、その奥底には確かな闘志が見えた。
「料理は……最初の一口が一番おいしいんですッ!!」
そう吠えるやいなや、制止の声すら上げる暇を与えず、ラディは箸の先につまんでいたパンケーキに見える何かを口の中へと放り込んだ。
刹那、その場を静寂が包み込む。
次に起こる悲惨な光景を予見し、その場にいた全員が声を上げることはおろか、身じろぎすることすらできないがゆえに生まれた静寂。
その静寂を、ラディの静かな声が切り裂いた。
「普通においしいです、コレ」
――その場の全員が言葉を失った。
おいしい? おいしい!? あの
死神
(
シャマル
)
の料理が!?
何かの間違いではないのか。いや、口に入れたその瞬間はおいしいが、その次の瞬間には“毒”が回るパターンなのではないか。疑念と驚愕の視線の入り混じる中、ラディは何事もないように二口目を切り分け、口に入れ、咀嚼し、飲みこみ、そしてあろうことか三口目と突入する。
その姿に、ようやく疑念は確信に変わる。
アレは、食べ物だ。
「う、うぅ……っ」
「泣くな、泣くんじゃねぇよ、シグナム……っ」
「そ、ういう、お前も、泣いているぞ、ヴィー、タ……ッ」
この中で最も付き合いのシグナム達ヴォルケンズの目元に涙が浮かぶ。
思い返せば数百年。
記憶が霞む遥かな長い時を共に過ごしてきたが、その長い長い時の中で、シャマルがおいしいと言えるような物を?―それ以前に口に入れて無事に済むものを作ったことはなかった。
いつもいつもできあがるのは、食う=死or昏睡の
危険物質
(
ダークマター
)
のみ。
善意でかつての主に振る舞った料理を反逆行為とみなされ、処罰されたことさえあった。
そんな、シャマルが、ようやく、ようやく、ようやくっ?―
“食べ物”を作ることを成し遂げた!!
ここで泣かずして、どこで泣くというのか。
目元から溢れ出るものを隠すこともせず、シグナムは喜びの涙を流した。
「シグナム……」
肩に置かれた手に振り返れば、そ
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