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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第5話 賑やかな晩ご飯、そして舞い降りる死神
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ゆっくりと上げていた手を降ろし、互いの顔を見合ったあと周りを見渡す。
まず最初に目を向けたのは高町美由希となのはの喫茶翠屋姉妹。
頼むならやはり本職かと考えたが、二人とも知らないと首を横に振る。
次に目を向けたのは八神はやて。
料理上手の多いこの場においても一、二を争う料理の腕を誇る彼女に頼んだかと思ったが、返ってきた返事はノー。
ならと今度はとエイミィ。
幼い子どもを抱える母親なら手作りのデザートの一つや二つ作るかもしれない。だが、そのエイミィも違うと手を振った。
なら一体誰が?
この場にはもう、他にデザートを作れそうな人間はいない。
誰に頼んだのか。二人はそうラディに尋ねようとして?―息を飲む。
この場には確かにもう、デザートを作 “れそう” な人間はいない。
だが、作 “りそう” な人間はいる。
その
人間
(
かのうせい
)
へと思考がいたり、まさかとは思いながらも尋ねようとしたシグナムの言葉を、歓喜に満ちた “死神” の声が遮った。
「お・待・た・せ〜♪ シャマル先生の特製デザート、完成です☆」
瞬間、
その場の全員
(
ひがいしゃたち
)
の顔から血の気が引いた。
幻聴であってほしい。そう思いながら恐怖一色の顔で声の下を辿る一同。
しかしその視線の先にあるのは、絶望のあまり言葉を失う一同の中を、
死の鎌
(
パンケーキ
)
を掲げいっそ優雅と言っていい足取りで進む
死神
(
シャマル
)
の姿。
「うふふ〜♪ シャマル先生渾身の力作、楽しんで食べてね♪」
ラディの座るテーブルへたどり着いたシャマルが、軽やかな音とともに皿をその眼前へと差し出した。
それを彼は目に星を散らせながら純粋無垢な瞳で見つめる。
近くの自分が使っていた紙皿に置いていた箸に手を伸ばし、掴み、手を合わせ、そして一言。
「いただきま〜す♪」
事ここにいたり、ようやくラディとシャマルを囲んでいたシグナムの時間が動き出す。
恐怖に立ちすくんでいたシグナムだったが、いまその胸にあるのは一つの強い意志。
――守らねば!!
その思いだけを胸に彼女は一歩前へと踏み出す。
しかしラディは既に箸でパンケーキに見える何かを口へと運ぶところ。
――間に合うか?
死神が鎌を振り上げる姿を幻視しながらそう自分に問いかける。
しかしすぐにその問いを否定する。
――間に合わせるのだ!!
自らの愛剣に手を掛け、シグナムの足が強い意志を宿し、地面を滑るようにして前へ出る。
たとえ腕が無くなろうと命を刈られるよりはマシだろう。そう自身に言い聞かせ、剣を握る手に力を籠める。
短く息を吸い、踏み込んだ足に力を籠め、腰を回し抜剣する。
いや、抜剣し
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