三十六話:色々と問題発生
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い。
自業自得の部分もあるから諦めるんだな。
イリナに首根っこを掴まれながら引きずられて行く中
全力でクラス中に助けての目線を送るゼノヴィアだったが
誰一人としてその視線を合わせることなく申し訳なさそうに目を逸らすだけだった。
安心しろ、ゼノヴィア。てめえの墓には墓参りぐらいは行ってやる。
「全く、安心できないぞ!?」
「ゼノヴィア、うるさいわよ」
「誰か!誰か“たすてけ”!!」
恐らくは“たすけて”と言いたかったであろうゼノヴィアが不憫すぎて涙が出てくる。
だが俺も助ける気は欠片もない。
(ゼノヴィアたんの涙目、最高オオオオオオオッ!!)
(イリナたんに咬み殺されるなんて羨ましいことを…っ!)
(一誠様!我らが外に出れば必ずやゼノヴィア様に代わりご褒美――いえ、
助け出すことが出来ます!!)
やばい、早くも胃薬がひと箱無くなりやがった…っ!
誰か、俺も助けてくれよ……。
今日の授業も終わり帰ろうと思っていた矢先に俺は信じられないものを
この目にしていた。上品な雰囲気を漂わせて俺の前に立つ金髪ドリル……
「お久しぶりですわ、兵藤一誠様」
「やめろ…これは幻覚だ、これは幻覚だ、これは幻覚だ……」
ありえねえ……こんなところに焼き鳥女が―――レイヴェル・フェニックスが
いるなんざありえねえ……しかもうちの学校の制服を着ているなんて絶対に幻覚だ。
はっはっは!まさかクロームの奴がこんなイタズラをしてくるとはな。
最近あまり構ってやられなかったから拗ねているのかもしれないな。
よし、帰ったら思いっきり可愛がってやろう。
(現実逃避はやめたらどうだ、相棒?
あれが幻覚でないことは相棒が一番よく分かっているだろう……)
カストカゲの奴、そうまでして俺の胃を破壊したいのか?
今のままだと現実逃避しない限りは間違いなく俺の胃は滅ぶぞ。
クソッ!また胃がキリキリと痛み始めやがった!!
「どうしても兵藤一誠様のおそばに居たくてこうして転校してきたんです……
そろそろストーカーでは満足できなくなりましたので」
頼んでもいないのになぜここに居るのかの説明を始める焼き鳥女
顔を赤くして熱の籠った視線で俺を見て来るその様はさながら恋する乙女の様だが
言っていることの危険性と奴の正体を知っている俺からすれば可愛いなどという
感情は一切湧き上がってこない。
と言うか、結局いつも聞こえてきていた幻聴の正体はてめえだったのか。
「今日はお近づきの印にプレゼントを持ってこさせていただきました」
そう言ってどこからか箱を取り出して俺に渡す、焼き鳥女。
受け取った手前、捨てるわけにもいかないので嫌な予感がしながら
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