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青い春を生きる君たちへ
第4話 卑怯者
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はそんな事は少しも気にしていないようだ。高田の事をどう説得して連れてきたのだろうか、いや、そもそも説得などせず強引に引っ張ってきた場合もあり得る。


「て事で、お邪魔しまーす!」
「おい、こら!勝手に上がりこむんじゃない!」
「……」


小倉の制止も聞かず、高田の手を引いて田中は小倉の部屋の中に上がりこんでくる。こんな強引な態度を、嫌味なく演じきって見せるのが田中という少年であり、擦れて嫌味な小倉は、自分とは正反対な田中の前に既にタジタジであった。


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「てことで、謹慎完了を祝して、カンパーイ!」
「……めでたいかそれ……?そもそもまだ明けてないし」
「外出禁止は今日の3時までだろ?じゃ、いいじゃん」
「……」


部屋に上がりこんだ田中と高田に小倉がお茶を出すと、何故か田中が乾杯の音頭を取り始める。小倉はいちいち律儀に突っ込むのだが、高田の方はと言えば、まだ一言も話さず、テーブルの前にちょこんと足を崩して座っていた。ただの冷えたウーロン茶を、まるで酒か何かのようにごくごくと喉を鳴らしながら飲み干した田中は、プハーッと息を吐き出しながらグラスを置いた。


「いやー、それにしても驚いたなー!謙之介がまさか、直斗をボコボコにしちゃうなんてさ!見た目は全然イケイケな感じしないのに、謙之介結構強いんだね!」
「バカ。あんなゴミをボコったくらいで強いなんて言うなよ、マジで」


先日の一件を褒めてきた田中に、小倉は苦い顔をした。口先だけで謙遜した訳じゃない、本気の否定だった。今朝の葉鳥といい、どうしてこんな事を褒めてくるんだろうか。立派な事をした訳じゃないというのは、自分でもわかってるのに。


「松陽は別にヤンキー校じゃない。平均辺りの偏差値はあるはずだ。廊下で殴り合いが頻発したりするような事もないし、小競り合いがあってもちょっと揉み合うだけで、後はお互いグチグチと悪態ついて終わり。そんな平和な学校だ。あの、大古っていうの?あいつも全然、殴り合いなんて慣れちゃいなかった。すぐに向かってくるのを止めたしな。そんな奴を多少ボコっても強い事にゃならねえよ。俺はただ、奴を虐めただけだ。」


小倉は、自分がどうやっても敵わない相手、それが明らかにこの世にいる事を知っている。それを理解しなければ、到底あの世界では生きていけなかった。殺される訳ではないが、そう頻繁にけちょんけちょんに叩き潰されていては、とてもじゃないが身がもたない。痛みを知り、その恐ろしさを知る事で、自らの身の程を実感として学んでいった。大古は、それを知らなかった。それは、身の程なんて学びようがない、平和な世界に住んでいたからだ。そんなもん知る必要もなく、大声を出せば周りが従っ
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